<senken h 100>100号特別対談!インターナショナルギャラリー・ビームス南馬越さん×アディション・アデライデ長谷川さん vol.1
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【1月5日 senken h】一昨年来の金融不況に伴う消費意欲の減退と、昨年来のファストファッションチェーンの台頭で閉塞感が漂う日本のファッション業界。「早い、安い」のみが強調される中で、もう一度ファッションの楽しさや感動を取り戻そう! と昨年10月、共同でイベントを敢行したのがインターナショナルギャラリー・ビームス(International Gallery BEAMS)とアディション・アデライデ(ADDITION ADELAIDE)。同じエリアで商売する競合店によるイベントは、「SAVE FASHION」をスローガンに原宿エリアをデモ行進し、その内容ともども話題にのぼった。
イベントを仕掛けた南馬越さんと長谷川さんはともに寅年で今年の年男と年女。「千里行って千里帰る」虎のごとく行動力があり、ファッションへの愛情も強い。2人に今後のファッションやセレクトショップのあるべき姿について話してもらった。
—昨年業界で話題になったのはファストファッションぐらいでした。
長谷川(以下H):ここ数年ファッションが効率優先になり、街がどんどん商業主義的になってきたでしょ。ファストファッションチェーンが「消費大国ニッポン」をターゲットに押し寄せてきたことで、物がさらにあふれた。洋服を通して伝わる感動だったり、着ることでアガるモチベーションだったりという、ファッションを楽しむ感覚が薄れてマンネリ気分が広がっている。そんなどんよりした雰囲気を吹き飛ばしたいという思いから、イベントをやろうって思ったんです。アデライデは小さな店で、ビームスさんとは規模が全然違いますけど、同じコンセプトやエネルギーを持ったもの同士が一緒に取り組んでいくことで、シナジー効果が生まれ、より業界にアピールできると思ったんです。それで仲良しだったマゴ(南馬越)さんに声を掛けさせてもらって。
南馬越(以下M):長谷川さんから「面白いこと思いついちゃった」って聞いてもあんまりぴんと来なくて(笑)。でも何回か会って話を聞いているうちに同じスピリッツを持つ会社同士できることがあるんじゃないか、って。うちやアデライデはモードも扱っているし、クリエーティビティーの高いアイテムもたくさんある。そういった服から得られるファッションの楽しさや自由さを店を通して伝えられたら、って思った。イベントのセッティングは長谷川さんがしてくれたんだけど、その枠組みのイメージが自由なストリート感を街で表現して訴えることだった。それを聞いた時、これは「デモ」だなと。デモやろうよって。政治的なアンチテーゼがあるわけじゃないんだけど、世の中に訴える意味では有効だから。
H:あのデモはタレントさんも含め本当にいろんな人が参加してくれて。原宿警察署にもどのくらいの規模でどのくらいの音なら大丈夫か聞きに行ったりしてね。いくつかのグループにわけて原宿かいわいを歩いたんだけど、みんな、ほんとに楽しんでくれた。
M:勢いあまって表参道の「シャネル(CHANEL)」に入ろうとしたときはさすがに止めたけど(笑)。
H:終わって帰ってきた時に、「気持ちいい!」「楽しかった」ってみんな目をキラキラさせて高揚している姿が印象的でした。やっぱりそういう若い人たちが今の閉塞感をブレークスルーしてくれるような力になってほしいと思った。
M:ビジネスとしても、賛同してくれたアーティストとのコラボ商品が売れたり、互いの顧客が店を行き来したりして、他の店と差別化も出来たしね。(vol.2に続く)(c)senken h
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◆100号特別対談!「もっとファッションを、もっとリアルな感動を」vol.2
イベントを仕掛けた南馬越さんと長谷川さんはともに寅年で今年の年男と年女。「千里行って千里帰る」虎のごとく行動力があり、ファッションへの愛情も強い。2人に今後のファッションやセレクトショップのあるべき姿について話してもらった。
—昨年業界で話題になったのはファストファッションぐらいでした。
長谷川(以下H):ここ数年ファッションが効率優先になり、街がどんどん商業主義的になってきたでしょ。ファストファッションチェーンが「消費大国ニッポン」をターゲットに押し寄せてきたことで、物がさらにあふれた。洋服を通して伝わる感動だったり、着ることでアガるモチベーションだったりという、ファッションを楽しむ感覚が薄れてマンネリ気分が広がっている。そんなどんよりした雰囲気を吹き飛ばしたいという思いから、イベントをやろうって思ったんです。アデライデは小さな店で、ビームスさんとは規模が全然違いますけど、同じコンセプトやエネルギーを持ったもの同士が一緒に取り組んでいくことで、シナジー効果が生まれ、より業界にアピールできると思ったんです。それで仲良しだったマゴ(南馬越)さんに声を掛けさせてもらって。
南馬越(以下M):長谷川さんから「面白いこと思いついちゃった」って聞いてもあんまりぴんと来なくて(笑)。でも何回か会って話を聞いているうちに同じスピリッツを持つ会社同士できることがあるんじゃないか、って。うちやアデライデはモードも扱っているし、クリエーティビティーの高いアイテムもたくさんある。そういった服から得られるファッションの楽しさや自由さを店を通して伝えられたら、って思った。イベントのセッティングは長谷川さんがしてくれたんだけど、その枠組みのイメージが自由なストリート感を街で表現して訴えることだった。それを聞いた時、これは「デモ」だなと。デモやろうよって。政治的なアンチテーゼがあるわけじゃないんだけど、世の中に訴える意味では有効だから。
H:あのデモはタレントさんも含め本当にいろんな人が参加してくれて。原宿警察署にもどのくらいの規模でどのくらいの音なら大丈夫か聞きに行ったりしてね。いくつかのグループにわけて原宿かいわいを歩いたんだけど、みんな、ほんとに楽しんでくれた。
M:勢いあまって表参道の「シャネル(CHANEL)」に入ろうとしたときはさすがに止めたけど(笑)。
H:終わって帰ってきた時に、「気持ちいい!」「楽しかった」ってみんな目をキラキラさせて高揚している姿が印象的でした。やっぱりそういう若い人たちが今の閉塞感をブレークスルーしてくれるような力になってほしいと思った。
M:ビジネスとしても、賛同してくれたアーティストとのコラボ商品が売れたり、互いの顧客が店を行き来したりして、他の店と差別化も出来たしね。(vol.2に続く)(c)senken h
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