【1月21日 MODE PRESS】今日のような世界的な経済危機の状況においても、急上昇を遂げるデザイナーは存在する。たとえば台湾・台北生まれの26歳、「ジェイソン・ウー(Jason Wu)」だ。09年春夏ニューヨーク・コレクションでのショーは最も称賛を浴びたショーの一つであった。

■台湾・台北生まれの26歳

 ウーは06年の2月にブランドを設立。ウーの服はアメリカの高級デバート、バーグドルフ・グッドマン(Bergdorf Goodman)や、サックス・フィフス・アヴェニュー(Saks Fifth Avenue)などで好調なセールスを記録し、08年にはファッション・グループ・インターナショナル(Fashion Group International)の新人賞を受賞した。女優レイトン・ メーステル(Leighton Meester)やグレッチェン・モル(Gretchen Mol)、何より“今最もホットな女性”ミシェル・オバマ(Michelle Obama)大統領夫人もウーの愛用者として知られている。

 このような需要の拡大に伴い、ウーは新たに4人のスタッフを増員。リテイル、セールス、デザイン・アシスタント、プレスにそれぞれ業界で経歴のある者を迎え、この若いブランドは総勢9名の会社となった。

■2008年を振り返って

 「2008年は本当に良い年だったんだ。これまでで一番成長した年で、アメリカ国内外に沢山のショップができたし、日本での取り扱いも開始したよ。簡単ではなかったけれど、こんな時でも入る隙はあるんだと感じているよ」と語った。「今のところ、出店先とは本当に良い関係を築けているんだ。クライアントと一緒に旅行し互いに交流し合い、そこから多くの成功があったよ」
 
■2009年の展望

 ジェイソン・ウーの09/10年秋冬コレクションは2月13日にニューヨークで発表される。今回のショーは今までのどのショーよりも大きなものになる予定だ。「立派なファーのコレクションになるよ。メッセージはずばり“ラグジュアリー”なんだ。ファッションは現実逃避の一種で、女性は夢中になれるような美しいドレスを必要としているんだ」

 また、リテイラーと直接話し、彼らの要求に沿った服を提供することを大切にしている。09年秋向けには、バーグドルフ・グッドマンなどの得意先のために別製のエクスクルーシブ・コレクションを発表する予定だ。

■デザイナーとしてのスタンス

 この春には、韓国にも参入予定のウー、「出店する場所には必ず自ら出かけて、自分でリサーチをするよ。部屋の中だけで働くようなデザイナーにはなりたくないんだ。市場に敏感になることは、コレクションを発表するくらい大切なことだと思うよ」と語る。自称「マルチ・タスカー」のデザイナーは、アシスタントの手助けを喜んでいるのだろうか?「何を手伝ってもらえばいいのかよく分からないんだ。僕は何か自分の仕事を諦めないといけないのかな?」と笑いながら話してくれた。(c)Fashion Week Daily/MODE PRESS

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