【1月7日 AFP】イランのテヘラン(Tehran)で12月30日未明、伊アパレル大手「ベネトン(Benetton)」の店舗が放火された。イランの保守派日刊紙ジョムフリ・エスラミ(Jomhuri-ye Eslami)や複数のメディアが31日伝えた。イランでは、イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)の実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)へのイスラエルの攻撃に対し、激しい抗議デモが起きている。

 ジョムフリ・エスラミは、テヘラン北部Dowlat通りにある店舗が「何者かに放火された」と伝えた。

 また、国営イラン通信(IRNA)によると、テヘランの消防署が現在火災の原因を調べている。

 国営イラン通信の発行する政府紙「イラン(Iran)」は、「(ベネトンが)シオニストのネットワークと繋がりがあるとみられている」と述べ、イランでの店舗開店が「過去2年間にわたりいくつかの衝突のきっかけとなり、また、人びとや学生団体らが同社の活動に反対していた」と非難した。

 1979年のイラン革命移行、イランでは大手ファッションブランドの出店がなかったが、ベネトンは過去2年間で数店舗を出店していた。

 これに対し、07年には主要な国会議員らが、ベネトンが「シオニストの億万長者」が所有していると主張し、また、同社のファッションが女性に悪影響を及ぼすとして、イラン国内への店舗開設に抗議していた。

 27日にイスラエルによるガザ地区への空爆が開始されて以降、イランでは激しい抗議行動が続いている。30日夜には、イスラエルの攻撃に対する英国の姿勢に抗議するデモ隊が、テヘラン市内の英国大使館施設に殺到した。

 イラン政府は、ハマスの強力な支持者で、イスラエルを承認していない。また、イランの最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師は30日、ガザ地区の防衛による死者は殉教者になると宣言していた。

 イランの保守派は、清涼飲料のコカコーラ(Coca-Cola)やペプシ(Pepsi)、衣類のカルバン クライン(Calvin Klein)、ネスレ(Nestle)食品などの「シオニスト製品」のボイコットを訴え続けている。(c)AFP