【10月20日 MODE PRESS】ヨーロッパのなかでもここ最近、順調にファッション産業の売り上げをあげているスペイン。皮革製品と靴には、世界的にも定評が高く現在日本でも人気の高いブランドが名を連ねる。そのなかでも特に人気の高いブランドをあらためて詳しく紹介。

■ロエベ(LOEWE

 スペイン王室御用達の称号を持つ、1846年創業の老舗ブランド。1872年にドイツ人の職人エンリケ・ロエベがこのレザー工房に加わったところから、ロエベの快進撃は始まる。富裕層に向けた皮革製品づくりから、バッグやトランクの分野に進出。伝統技術と最新の皮革加工システムによって作り出される極上の手触り、そして慎み深いデザインが、真の上質を知る人々に支持され、一流ブランドとして世界にその名を知られるようになった。現在はラグジュアリーグループLVMH傘下のブランドとして世界各地に130店舗を展開。「女性とバッグ」をテーマに現代アート展を主催するなど、メセナ活動にも積極的に取り組んでいる。70年代から発表しているレディスウェア分野には、ナルシソ・ロドリゲス、ホセ・エンリケ・オナ・セルファを経て今年1月、スチュアート・ヴィヴァースが新クリエイティヴ・ディレクターに就任。モード感に更なる磨きをかけたコレクションに期待が高まる。
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  • ■ルポ(LUPO

     バルセロナに本社を置くレザーバッグとアクセサリーのブランド。1989年の創業当時はスーツケースやトランクを主に手掛ける小規模なファミリー企業だったが、2001年にシグニチャーともいえるプリーツバッグ「アバニコ」を発表し、世界中からの注目を浴びる。以降、優れた品質とデザインに程よい個性を組み合わせたバッグは、海外市場で大きな成功を収めている。クリエイティヴ・ディレクターのミレイア・モレネテは、「流行に左右されず、時代を超越したデザインのバッグは、持ち主の誠実なパートナーとなる」と語り、過度なデザインを排したクオリティ重視のコレクションを発表し続けている。2006年には海外進出第一号店として、東京・表参道ヒルズに直営店をオープンした。今年は10人のデザイナーがカスタマイズした「アバニコ」をチャリティオークションにかけ、売上を飢餓に苦しむ人々の支援のために寄付するなど、社会貢献活動にも力を入れている。
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  • ■ザラ(ZARA

     スペインを代表するSPA、インディテックスグループの主力ブランド。H&MやGAPと並ぶファスト・ファッションの雄として、1975年にオープンしたラ・コルーニャ店を皮切りに世界に4000の店舗を展開。レディース、メンズ、キッズのファッションを手頃な価格で提供する。デザイン、製造、流通、販売を一貫して手掛けることで、新商品をデザインしてから店頭に投入するまでを2週間で実現させ、週に2回新作が入荷するシステムを作りあげた。顧客が何を求めているかを敏感に感じ取り、めまぐるしく変化するトレンドを速やかに商品に反映させ、時代の気分をショーウインドーから発信している。適度にトレンドを盛り込んだ商品は、ファッション関係者からも好意的に受け止められている。近年はマタニティ・ウェア、ホームコレクション、フレグランス分野にも参入。今年9月、銀座地区2店舗目となる「ザラ 銀座マロニエ店」をオープンした。
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  • ■カンペール(CAMPER

     ファッション性と実用性を巧みに組み合わせる技術、徹底した品質管理、そして革新的なスピリットに定評ある家族経営のシューズメーカー。アントニオ・フルクサが1877年、マヨルカに伝統的な靴屋として創業し、後にイギリスから近代的な靴製造技術を導入した。1975年にブランド名を「カンペール」とし、以降、履き心地が良くスタイリッシュで、地中海の開放的な精神を感じさせる商品が、あらゆる年齢層を魅了している。昨年「カンペール フォー キッズ」、今秋はブランド初の赤ちゃん向けシューズライン「カンペール ベイビー」を発売、さらにバッグラインも拡充中だ。ブランド設立時から靴底の材料として、タイヤ製造時の廃材、キャンバス地やレザー工場での残り屑を利用するなど、環境問題への意識の高さも特筆すべき点。バルセロナにレストランとホテルを運営し、スペインを代表するライフスタイルブランドとして新たな展開を見せている。
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  • ■カスタニェール(Castañer

     農場労働者向けのエスパドリーユを製造する小さな町工場として1776年に創業。1950年代末、エスパドリーユ人気の落ち込みを受け、イサベル・カスタニェールがオリジナルの色、形、そしてシルクやベルベットなどの生地を取り入れたファション性の高いエスパドリーユをデザインし始める。麻と編み込みの縄で作られた田舎のサンダルを、ゴージャスなファッションアイテムに昇華させるイサベルの手腕は、またたくまにファッション界の大御所の心をとらえ、60年代半ばにはイヴ・サンローランやセリーヌ、エルメスといった名だたるメゾンから製造依頼の声がかかるようになる。自社ブランド展開と、他ブランド向けエスパドリーユの生産・販売を2本柱に事業を拡大。現在は、時期を問わずに販売できるシューズやバッグなども製造しており、生産品の65%が海外に輸出されるほどの世界的なブランドへと成長。2007年には東京・銀座に直営路面店をオープンした。
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  • ■ホアキン・ベラオ(Joaquín Berao

     デザイナーのホアキン・ベラオは、マドリードでジュエリー工房を営む家に生まれる。1970年にデザインした初のコレクションを、NYの百貨店ブルーミングデールズが全て買い取るという快挙を成し遂げ、その後も継続的にジュエリーコレクションを発表し続ける。ゴールド、シルバー、チタンなどの貴金属を用い、ジュエリーと彫刻の要素を兼ね備えた大ぶりなデザインが特徴。有機的でユニークなフォルムは自然界からインスピレーションを得たもので、ベラオは「私にとって自然とは、完璧さと美しさの神髄=本質。最も精巧な、最も美しい、最も調和のとれたデザイン、それが自然なのです」と語っている。1999年には初めてダイヤモンドを取り入れたコレクションを発表。以降、ゴールドと貴石を多様したハイジュエリーの分野でも創作活動を行っている。今年は、過去の代表作に新たな解釈を加えた「クラシカ」コレクションを発表し、シルクコードのペンダントなど、コレクター垂涎の限定アイテムを販売している。
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  • ■エル・ナチュラリスタ(El Naturalista

     「自然主義者」を意味するエコ・コンシャスなシューズブランド。「自然こそが幸せをもたらす全ての中心である」という哲学をのもと、2002年にラ・リオハで設立された。カエルのロゴには、雨によってもたらされる豊饒、幸運への思いが込められている。環境に配慮した素材、飽きのこないデザイン、人間工学に基づいた履き心地の良さといった特徴から、現在は世界45ヶ国に販路を拡張。代表作であるカジュアルなラバーソールのフラットシューズに加え、ヒールのあるフェミニンなラインやバッグなども展開している。エコ志向はショップデザインにも反映されており、内装には木材、石、ファブリックなどの自然素材を採用し、非生物分解性やリサイクルされていないプラスチックは一切用いないという徹底ぶりだ。2002年以降、10万ユーロを超える金額をペルーの子供たちの学校設備や健康保護のために寄付するなど、社会的に恵まれない人々への支援にも取り組んでいる。(c)MODE PRESS
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