【1月31日 上間常正】環境対策に積極的に取り組んでいる世界の経済界の若いトップらで組織している「ヤンググローバルリーダーズ」がこのほど、問題への取り組みの実例や行動への関心を呼びかけた本「LOVE BOOK」を作った。グループのコーディネーターの一人であるIWCシャフハウゼンのジョージ・カーンCEOらが来日して都内のホテルで記者会見し、本の目的や今後の行動計画などを説明した。

 「LOVE BOOK」は大型版で196ページ。キャメロン・ディアス(Cameron Diaz)やクラウディア・シファー(Claudia Schiffer)ら若い世代の各界の著名人、日本人では村上龍真田広之らが、「太陽」をモチーフにして環境問題へのメッセージを写真とともに寄せている。また企業の具体的取り組みとして、GEの温室効果ガスの排出量削減のための全社的方策や代替エネルギー技術への投資、ティンバーランドの自社製品輸送にかかるディーゼル燃料の大幅な削減、またインテルの製品製造過程での排出量削減と製品のエネルギー効率を高める両面からの努力などを紹介している。この本のコアメッセージは「CO2ダウン、利益アップ」だという。

 IWCのジョージ・カーンCEOは「我々は善意や理想を提案しているわけではない。政治的活動でも消費者運動でもなくて、環境への取り組みがビジネスを通じて達成でき、企業収益にもつながるのだということを示したいのです」と語った。IWCは環境保護への厳しいCSR(企業の社会的責任)を定めて積極的に取り組んできたが、「3か月以内にCO2フリーの時計を初めて世界に送り出す」との予定にも触れた。

 この本は7000部製作され、世界のビジネス、政治、またクリエーティブな業界で大きな影響力をもつ指導者らに配られる。うち日本では200部の予定という。(C)MODE PRESS