【12月10日 MODE PRESS】カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)が手掛けるシャネル(Chanel)が6日、刺繍工房ルサージュ(Lesage)、靴工房マサロ(Massaro)、コスチュームジュエリー工房デリュ(Desrues)、金銀細工のゴッサンス(Goossens)などのクチュール工房のテクニックを取り込んだメティエダール・コレクション(Metiers d’Art)新作「パリ-ロンドン(Paris-Londres)」を発表した。

 ショーはモデル/ミュージシャンのイリナ・ラザルヌ(Irina Lazareanu)とショーン・レノン(Sean Lennon)のライブからスタート。英国流シックをココ・シャネル(Coco Chanel)に教えた彼女の恋人アーサー・カペル(Arthur Capel)やウェストミンスター公爵(Duke of Westminster)にインスパイアされたものだという。

 ハイカラーのリボン付きシャツと合わせたニッカボッカ、クリスタルで飾られたロング丈の燕尾服、透け感のあるタータン・シフォンのレイヤー、巨大なジュエルブローチで飾られたフラットのローファー、ユニオンジャックがあしらわれたキルトバッグ・・・。「リッチなパンクのための、高価で洗練された服」とカール。
 
 従来の英国風スタイルの中には、モデルのアギネス・ディーン(Agyness Deyn)やデイジー・ロウ(Daisy Lowe)といった現在のファッション・アイコンの要素を加えた。なかでも印象的だった、濃いアイメイクに大きく膨らませたビーハイブヘアといったスタイルは、英国でいま最も有名な歌手エイミー・ワインハウス(Amy Winehouse)を意識したものだという。

 カールは、「エイミー・ワインハウスとブリジット・バルドー(Brigitte Bardot)の中間だね。エイミーは、現在の英国で最も素晴らしい才能をもつアーティストのひとりだ。声と見た目ですぐに彼女だとわかるからね。彼女は、彼女自身なんだ。即興で生まれるようなものじゃない」とコメント。

 パリ流のエレガントな千鳥格子のブークレ・ジャケット、ヘムラインにレースを飾ったミニドレス、髪やシューズにふんだんに飾られたジュエルやクリスタル、コート・ドレスや手袋などが、デカダンでノンシャランな雰囲気をコレクション全体に与えていた。(c)Fashion Week Daily/ MODE PRESS