【7月22日 AFP】イラン国内で7月23日から、服装や髪型が「イスラム的でない」男女を対象にしたさらに厳しい服装取り締まり運動が始まる。

■一度検挙されると名前がリストに登録

今回の取り締まりに関してテヘラン(Tehran)警察のAhmad Reza Radan署長は、「短すぎるズボン、極度にタイトな服装、西洋のロゴ入りシャツ、西洋的な髪型が取り締まりの対象」と語る。イラン国営放送のホームページには、「検挙者にはどこで服を買ったか、どこで髪を切ったかを聞き、芋づる式に取り締まりを進めたい」という Radan署長のコメントが掲載されている。

 今回の取り締まりでは一度検挙されると名前がリストに登録されるため、二度目となれば言い訳も聞き入れられないという。

■取り締まりの一新で、規定の遵守を訴える

 イランではここ数年で最も厳しい服装取り締まりが今年4月に実施され、国の服装規定に反するとして数千人が注意を受け、数百人が逮捕された。しかし、4月の取り締まり以降もタイトな服装やスカーフからの露出はなくならなかった。

 例えば、イランの女性は服装で上から下まで体のラインを隠さなければならないことになっている。しかし近年は足首を隠さなかったり流行の髪型をスカーフの下に隠したりなど、服装規定の境界線をはみ出す例が後をたたない。そこで、今回取り締まりをいっそう強化することで警察当局は、服装規定の遵守を訴えようとしている。

■穏健派からは疑問の声
 
 社会秩序を守るために今回の取り締まりは必要だと、保守派では賛成の声が多い。しかし穏健派からは、服装の取り締まりよりも、貧困や犯罪の根絶に力を費やすべきではと疑問の声があがっている。(c)AFP