【東京 25日 AFPBB News】プラダ(PRADA)のミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)が、この秋から東映系で公開される日本のCGアニメーション映画『エクスマキナEX MACHINA)』(荒牧伸治監督作品)で衣装デザインを担当した。トップファッションとアニメの初めての本格的なコラボレーションの試みとして注目されそうだ。

■脚光を浴びる日本のアニメーション

 文化的価値が海外から高く評価され、有望な「輸出産業」として脚光を浴びる日本のアニメーション。今年5月には、外務省が海外で漫画文化の普及活動に貢献する漫画作家を表彰する「国際漫画賞(International MANGA Award)」の設立を発表するなど、文化外交の一環としてもその重要性への注目が高まっている。ファッション界でも、村上隆が手掛けた“アニメ調”のデザインをモノグラム取り入れたルイ・ヴィトンや、“マンガ”に着想を得たカラフルなニットを05年春夏コレクションで発表したクリスチャン・ディオールなど、「アニメ文化を取り入れる」形式でのコラボレーションは度々行われてきた。

■「タフでありながらもセクシーな女性像」

 しかし、海外のトップデザイナーが日本のアニメーション制作に本格的に携わるということは今回が初めてといえるだろう。主人公デュナンの衣装デザインを手がけたミウッチャ・プラダは、『エクスマキナ』の前編『アップルシード(2004年)』を観て、映像の美しさとコントラストのあるストーリーに惹かれ、今回のデザインを引き受けたという。

 ミウッチャが今回デザインした衣裳は2パターン。スタッズ付きのアーミーブーツや、ファーのポケットつきのミニドレス風コート、エルボーパッド、異素材の切替がみせるコントラストなど、キャラクターの個性を活かしたミウッチャらしい遊び心溢れるデザインが目を引く。ミウッチャは「タフでありながらもセクシーな女性像を表現した」と説明している。

 このデザインテーマは、相反する要素を組み合わせて新たな世界を表現しようとする彼女の最近のコレクションとも共通している。

 また「同時代性を感じさせながらも、アニメというジャンルで今後時代遅れになったり、陳腐に見えたりすることのないデザインにした」と、アニメーション作品ならではのこだわりも語った。

■世界のクリエイターが集結する大プロジェクト

 『エクスマキナ』の原作は海外でもカルト的な人気を誇る『攻殻機動隊』の士郎正宗。プロデューサーには『ミッション:インポッシブル2(Mission: Impossible II)』のジョン・ウー(John Woo)を迎えた。音楽監修は細野晴臣(Haruomi Hosono)が務め、HASYMOやテイトウワ(Towa Tei)、コーネリアス(Cornelius)が参加。世界を代表するクリエイターたちが集結する一大プロジェクトとなった。

 多岐にわたるコラボレーションが注目される『エクスマキナ』は、ワーナー・ブラザースによる世界配給も決定。日本では10月20日から全国の東映系映画館で公開される。(c)AFPBB News/2007 士郎正宗/青心社・EX MACHINAフィルムパートナーズ

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