【ミラノ 20日 AFP】イタリア人デザイナー、ジャンニ・ヴェルサーチ(Gianni Versace)氏の没後10周年を記念し、彼と親交のあった仏人振付師モーリス・ベジャール(Maurice Bejart)が7月に記念バレエ公演を行う。会場は、イタリア・ミラノのスカラ座(Teatro alla Scala)だ。

■現代バレエの巨匠より『愛を込めて』

 現代バレエを代表する振り付け師のベジャールは、1983年の舞台『ディオニソス(Dionysos)』以来、ヴェルサーチ氏と度々コラボレーションを行っていた。今回発表する記念公演『ありがとう ヴェルサーチ、愛を込めて(Grazie Gianni, con amore)』は2幕で構成。作品中では、自作『マルロー、あるいは神々の変貌(La Metamorphose des dieux)』、『レニングラードの想い出(Souvenir de Leningrad)』、『ピラミッド(Pyramide)』のシーンを蘇らせる予定だ。

■市内で記念イベントも開催

 9月に行われる08年春夏ミラノ・コレクション期間中には、展覧会「Myths, gods and heroes according to Versace」が開かれる。会場にはヴェルサーチ氏が所有していた衣装約70作品が展示される。製作年代は、700年から1996年まで幅広い。

 ミラノ市当局は、ヴェルサーチ氏の名にちなんだ道路や公園の建設を計画中。また、市内に同氏の功績を紹介する場を設けるとの意向だ。

■世界を震撼させたヴェルサーチ氏の死

 ヴェルサーチ氏(享年51歳)は、1997年7月15日、マイアミ市内で当時27歳の連続殺人犯アンドリュー・クナナン(Andrew Cunanan)に射殺された。犯行の数日後、クナナンは自殺。この事件は、ファッション界のみならず世界中を震撼させた。

 彼の死後は、妹のドナテッラ・ヴェルサーチ(Donatella Versace)が「ヴェルサーチ(Versace)」のデザイナーを引き継ぎ、兄のサント・ヴェルサーチ(Santo Versace)が最高経営責任者を務めている。(c)AFP/EPA-ANSA Giuseppe Farinacci

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