【パリ 18日 AFPBB News】イッセイ ミヤケ(Issey Miyake)の前デザイナー滝沢直己(Naoki Takizawa)が6月15日、パリ市内でフランス芸術文化勲章シュバリエを授与された。授章式は昨年オープンしたケ・ブランリー美術館内のサロンで行なわれ、滝沢のこれまでの活動にかかわってきた各界の著名人が祝福した。  授章は滝沢のこれまでのファッションと芸術への長年の貢献を評価したものだが、ケ・ブランリー美術館のカーテンを滝沢がデザインしたことも大きな契機となった。  勲章を手渡した同美術館のステファン・マルタン(Stephane Martin)館長は「滝沢氏はファッションデザイナーであり、すばらしい芸術家であります。長年のデザイナー活動、そしてケ・ブランリー美術館(Musee du Quai Branly)のカーテン・プロジェクトでは、滝沢氏が伝統的な職人技術と洗練されたテクノロジーを融合した驚くべき仕事を成し遂げました」と賞賛した。  滝沢は「カーテン制作を依頼してくれた建築家のジャン・ヌーベル(Jean Nouvel)氏、今回携わったフランスの職人たち、そして日本のイッセイ ミヤケチーム全員に感謝します。師である三宅一生氏との出会いなくしては、今日の日はありません。デザインは“チームワークの結果”だと教わりました」とあいさつした。  「今ここに携わったチームの代表として奇跡の現実を受け止め、ここに立てることを感謝します」  カーテン制作は、滝沢にとって初めてのフランス国内生産のプロジェクト。染色から縫製まで全てを各地域の職人達と一緒に進めた。「物作りのシステムの違いを学びました。難しさも感じたが、出来上は涙が出るほど素晴らしかった。今後は日本人のソフトを使い、外国の異なるハードで物を作る試みを続けて行きたい」と語った。  滝沢は今年から自身のブランド「ナオキタキザワ(Naoki Takizawa)」を立ち上げ、08年春夏コレクションから新作をスタートさせる。会場には今後コラボレーション予定の靴デザイナー、ロベール・クレジュリー(Robert Clergerie)やメイクアップアーティストのステファン・マレーも駆けつけ、激励の意を伝えた。(c)AFPBB News 【関連記事】滝沢直己、08年春夏ニューヨーク・コレクションで新ブランド「NAOKI TAKIZAWA」発表