【パリ/フランス 15日 AFP】フランスのラグジュアリー・グループ企業「LVMH」は、2006年度の純利益が18億7600万ユーロ(前年比30%増)に達したことを14日、発表した。円安とドル安の影響にも関わらず、同企業内において「ルイ・ヴィトン」と他事業が出した結果は、この5年間で2倍の利益を生んだ。

■記録的な業績

 2006年度はアナリスト調査の予想利益18億6500万ユーロを上回る結果に至り、グループ全体の利益が5年間でほぼ2倍に達したことになる。同グループは純利益を2004年に10億1000万ユーロ、2005年に14億4000万ユーロ(21%増)と記録的な業績を伸ばした。

■5年周期で大きく成長し続ける

 会長のベルナール・アルノー氏(Bernard Arnault)は「LVMHは5年周期で繰り返し成長して行きます。5年後には更に2倍の利益を生み出すことでしょう」と述べた。

「企業買収の必要性に関しては急ぎません。今は市場価格が高まっている時期ですので、落ち着くまで待ちます。2007度はグループにとって発展を促進し、結果を上げる年です。引き続き通貨の背景は厳しいものとなるでしょう。しかし今年は少し為替レートが変わると予測します。」と付け加えた。

■純利益のうち、13%は日本市場から

 「現在グループの利益は米国、アジアの中国とインド、そして何と言っても純利益の13%が日本によるものです。しかし売上自体の伸びはアジアが16%増、ヨーロッパと米国が12%増にも関わらず日本は4%増に過ぎません。ファッションと革小物分野ではルイ・ヴィトンのお陰で9%増の52億2200万ユーロの売上に至りました」とアルノー氏。

■今後、中国市場を拡大

 LVMHは2月13日(火曜日)に中国で15店舗目のブティックをオープンした。今年中に20店舗目まで広げる予定だ。グループは中国のラグジュアリー市場を強化し、東ヨーロッパや他国と同様ニューリッチ層を作り出す戦略だ。最後に、中国はワインとアルコール類でも今後米国を越える勢いを見せると予想されている。
 写真は2月14日に開催された決算報告会の様子。(c)AFP/ERIC PIERMONT