【3月19日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)で5回の総合優勝を果たした故ファン・マヌエル・ファンジオ(Juan Manuel Fangio)氏が運転していた1954年製のF1レーシングマシンを英競売ボナムズ(Bonhams)が、7月に競売に掛けると発表した。予想落札価格は500万ポンド(約7億2000万円)。

 ボナムズのロバート・ブルックス(Robert Brooks)会長は、1954年のメルセデス・ベンツ(Mercedes-BenzW196が発見された場所については明らかにせず、「倉庫に保管されたまま、30年近く忘れ去れていた」とだけ述べた。ブルックス会長はまた、「保管される直前に動かした際には良い状態だった」と述べ、メルセデス・ベンツのもとで走行可能な状態に戻せば、「レースコースや路上にデモンストレーション用として戻ることも可能だろう」と語った。

 レース史に詳しいダグ・ナイ(Doug Nye)氏は、「最初にこの車を目撃したとき、私は(驚きのあまり)酸素吸入が必要なほどだった。この車には画期的な技術が用いられ、画期的なドライバーが乗っていたのだ」と述べ、「汚く見えるという人もいるだろう。だがそこが問題なのではない。本物のレースカーは未修復のものだ。この車では何も取り払われていない。美しき生存者なのだ」と語った。(c)AFP