「ハリポタ」ローリング氏、新作に自信 「自分がこうありたかった本」
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【9月28日 AFP】人気児童小説「ハリー・ポッター(Harry Potter)」シリーズの作者J・K・ローリング(JK Rowling)氏(47)は27日、初の大人向け小説「The Casual Vacancy」の発売を記念したファンイベントに出席し、「全てを注ぎ込んだ」と新作の出来に自信を見せた。
同日発売された「The Casual Vacancy」の内容は書店に並ぶ当日まで極秘とされてきたが、蓋を開けると、セックスやドラッグの赤裸々な描写が衝撃的なダークコメディーだった。評論家たちからは既に賛否両論が出ているが、発売初日から予約分100万冊を売り上げ、インターネット小売大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)のランキングも上昇中。今年の英国フィクション小説部門でベストセラー入りは確実視されている。
英ロンドン(London)で27日夜に開かれた発売記念イベントで、ローリング氏は集まった約900人のファンを前に「今日は1日、新聞(の書評)を見ないようにしていました」「子どもたちと映画『メン・イン・ブラック(Men In Black3)』を観て過ごしました」と明かした。新作の執筆には5年を要し、書きかけていた児童小説を後回しにしたという。
■「書くのは楽しかった」
新作については、「これぞ自分がこうありたかった本」だとコメント。「『ハリー・ポッター』シリーズの執筆には大きなプレッシャーがあったけれど、この本(新作)を書くのは楽しかった。『別に、出版しなくたっていいんだ』と自分に言い続けていました」と語った。
厳しい評で知られる米ニューヨーク・タイムズ(New York Times)のミチコ・カクタニ(Michiko Kakutani)氏は、新作に対し「(ハリー・ポッターでお馴染みの)魔術や言葉の呪文といった意味での魔法は、大人のためのこの小説にはない。代わりに、ハリーのおばのペチュニアとおじのバーノン・ダーズリーのような人々ばかり登場する。自分のことしか頭になく、小心者で、批判ばかりする鼻持ちならない人々だ。わたしたちを感動させることも、夢中にさせることもない」と述べている。
一方、英国ではデーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)紙のアリソン・ピアソン(Allison Pearson)氏が「時におかしく、鋭い観察が随所にみられ、残酷さと絶望に満ち溢れた」小説だと評価。インディペンデント(Independent)紙のボイド・トンキン(Boyd Tonkin)氏は、児童小説の限界から解き放たれた「自由の歌」だと絶賛している。
■「死」への思い、作家の卵へのアドバイスも
新作の中に絶え間なく出てくる「死」について尋ねられると、ローリング氏は「死はわたしの頭から離れないもの」だと答えた。
「どうしてこうも気になるのか、自分でも分からない。簡単な答えは、わたしがまだ25歳の時に母が亡くなったから、ということでしょうか。母はまだ45歳だったから…。確かにあれは原体験でした」
書くことによって「死への恐れは減る」が、いまだに「子どもを置いていくことにならないかと脅えている」とローリング氏。最後に、作家を目指すファンへのアドバイスを求められ、「エージェントを捕まえることかしら」と冗談を口にした後、いつもインスピレーションにあふれているなどと思わないことだと述べた。
「インスピレーションは確かに必要だけれど、その次にやって来るのは執筆という長く困難な作業。わたしは、朝起きて『今日は何かひらめいているかな?』なんて自分に聞いたりしていないわ」 (c)AFP/Maureen Cofflard
同日発売された「The Casual Vacancy」の内容は書店に並ぶ当日まで極秘とされてきたが、蓋を開けると、セックスやドラッグの赤裸々な描写が衝撃的なダークコメディーだった。評論家たちからは既に賛否両論が出ているが、発売初日から予約分100万冊を売り上げ、インターネット小売大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)のランキングも上昇中。今年の英国フィクション小説部門でベストセラー入りは確実視されている。
英ロンドン(London)で27日夜に開かれた発売記念イベントで、ローリング氏は集まった約900人のファンを前に「今日は1日、新聞(の書評)を見ないようにしていました」「子どもたちと映画『メン・イン・ブラック(Men In Black3)』を観て過ごしました」と明かした。新作の執筆には5年を要し、書きかけていた児童小説を後回しにしたという。
■「書くのは楽しかった」
新作については、「これぞ自分がこうありたかった本」だとコメント。「『ハリー・ポッター』シリーズの執筆には大きなプレッシャーがあったけれど、この本(新作)を書くのは楽しかった。『別に、出版しなくたっていいんだ』と自分に言い続けていました」と語った。
厳しい評で知られる米ニューヨーク・タイムズ(New York Times)のミチコ・カクタニ(Michiko Kakutani)氏は、新作に対し「(ハリー・ポッターでお馴染みの)魔術や言葉の呪文といった意味での魔法は、大人のためのこの小説にはない。代わりに、ハリーのおばのペチュニアとおじのバーノン・ダーズリーのような人々ばかり登場する。自分のことしか頭になく、小心者で、批判ばかりする鼻持ちならない人々だ。わたしたちを感動させることも、夢中にさせることもない」と述べている。
一方、英国ではデーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)紙のアリソン・ピアソン(Allison Pearson)氏が「時におかしく、鋭い観察が随所にみられ、残酷さと絶望に満ち溢れた」小説だと評価。インディペンデント(Independent)紙のボイド・トンキン(Boyd Tonkin)氏は、児童小説の限界から解き放たれた「自由の歌」だと絶賛している。
■「死」への思い、作家の卵へのアドバイスも
新作の中に絶え間なく出てくる「死」について尋ねられると、ローリング氏は「死はわたしの頭から離れないもの」だと答えた。
「どうしてこうも気になるのか、自分でも分からない。簡単な答えは、わたしがまだ25歳の時に母が亡くなったから、ということでしょうか。母はまだ45歳だったから…。確かにあれは原体験でした」
書くことによって「死への恐れは減る」が、いまだに「子どもを置いていくことにならないかと脅えている」とローリング氏。最後に、作家を目指すファンへのアドバイスを求められ、「エージェントを捕まえることかしら」と冗談を口にした後、いつもインスピレーションにあふれているなどと思わないことだと述べた。
「インスピレーションは確かに必要だけれど、その次にやって来るのは執筆という長く困難な作業。わたしは、朝起きて『今日は何かひらめいているかな?』なんて自分に聞いたりしていないわ」 (c)AFP/Maureen Cofflard