【4月12日 AFP】米不動産王ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が共同代表を務める「ミス・ユニバース機構(Miss Universe Organization)」は10日、世界一美しい女性を決定するミス・ユニバース(Miss Universe)への参加資格を、性転換手術を受けたトランスジェンダー(生来の性別に違和感がある人)のモデルにも与えると発表した。

 同性愛者とトランスジェンダーの権利団体「GLAADThe Gay and Lesbian Alliance Against Defamation、中傷と闘うゲイとレズビアンの同盟)」によれば、トランスジェンダー女性への参加資格は2013年のコンテストから与えられる。また、今年のコンテストで一時失格となったカナダのジェナ・タラコバ(Jenna Talackova)さんが性転換女性として同コンテスト史上初めて出場資格を与えられることになるという。

 GLAADの広報担当ハーンドン・グラディック(Herndon Graddick)氏は、「ミス・ユニバース機構は、トランスジェンダー女性への差別に反対する立場を表明する五輪などの組織への仲間入りを果たした」と述べている。

 グラディック氏は「現在トランスジェンダーの人々は、住宅、雇用、医療などにおける平等な機会を日常的に拒否されており、今回の決定はトランスジェンダーの人々に対する米国民の支援が高まっていることに沿ったものだ」と話す。

 ミス・ユニバース機構のポーラ・シューガルト(Paula Shugart)代表はGLAADのウェブサイト上に記載されたコメントで、「私たちは長い間、全ての女性が平等に扱われることを支援してきており、これに真剣に取り組んできました」と述べている。

 同機構の方針の転換は、カナダ大会の決勝へと進出したタラコバさんの働きかけにより実現した。美しい容姿とブロンドの髪を持つトランスジェンダーのタラコバさんは、「間違った体」を持ち生まれてきたために女性になるための手術を受けたと話している。

 これまで、派手な言動がしばしば話題となるトランプ氏率いるミス・ユニバース機構は、コンテストの参加者は「生まれつきの女性」である必要があるとの規則を設けていた。(c)AFP/Sebastian Smith

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