【4月5日 AFP】ミス・ユニバース(Miss Universe)2012のカナダ大会で、最終予選に残りながら性転換手術を受けていたために失格となったとされるモデルが、一転して決勝大会への出場を認められることとなった。だが、出場許可に条件が付けられていたことから、モデル側は「ミス・ユニバース機構(Miss Universe Organization)」の共同代表を務める米不動産王ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏に、参加資格を明確にするよう求めている。

 カナダ・バンクーバー(Vancouver)に住むジェナ・タラコバ(Jenna Talackova)さん(23)は、ミス・カナダ(Miss Canada)2012決勝に進む65人に選ばれたが、その後失格となった。これについてタラコバさん側は、性転換手術を受けていたことが失格理由だったと説明。「生まれつき女性であること」が大会出場資格規定にあると主催者側から説明を受け「ショックを受けた」と主張している。

 タラコバさんは2010年のインタビューで、男の体で生まれながら子どもの時から自分は女性だと思っており、14歳からホルモン治療を受け、19歳で性転換手術を受けたと語っている。

 ミス・ユニバース機構は3日までに、タラコバさんの大会出場を認めると発表。ただし「カナダ政府が、法的に認める性別および、その他の国際ミス・コンテスト大会が基準とする条件を満たしていること」との条件を付けた。

 3日、この発表から数時間後に米ロサンゼルス(Los Angeles)で弁護士とともに記者会見を開いたタラコバさんはこの条件に不服を示し、「私は女性です。これまで特別扱いを求めたこともない。ただミス・ユニバース大会に出場したかっただけなのに」と訴えた。

 さらに、「簡潔な言葉で構わない。カナダ大会に出場できるのか、そして、もし優勝したらカナダ代表としてミス・ユニバース大会に出場できるのか、はっきり示してほしい」と述べ、カナダ政府の主張いかんに関わらず確実にミス・ユニバース大会に出場できるよう、踏み込んだ措置をトランプ氏に求めた。

 また、参加資格を「生まれつき女性であること」とした規定の削除も求め、「私が苦しんだような差別を、他の女性たちに味わわせたくない」と語った。

 タラコバさんの大会出場を認めるよう訴えるインターネット署名には、これまで2万8000人以上の署名が集まっている。(c)AFP/Leila Macor

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