ハリウッド模した「ウェリウッド」大看板が物議、本家は訴訟の構え NZ
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【5月25日 AFP】ニュージーランドの首都ウェリントン(Wellington)の玄関口、ウェリントン国際空港(Wellington International Airport)が21日、「映画の聖地」米ハリウッド(Hollywood)の名物看板そっくりな大看板「ウェリウッド(Wellywood)」を敷地内に設置する計画を発表し、物議を醸している。
地元の反対に加え、本家ハリウッドの商工会議所は商標権の侵害だとして訴訟も辞さない構えを見せているが、空港会社側はあくまでも計画を推進する方針だ。
■「映画の都」アピール、地元は反対派優勢
計画では、高さ8メートル、長さ30メートルの巨大な看板を、市内を見下ろす空港敷地内の丘に設置する。空港会社は設置理由として、ウェリントンが近年、大ヒット映画『ロード・オブ・ザ・リング(Lord of the Rings)』シリーズの撮影が行われるなど、映画産業の拠点として発展しつつあることを挙げている。
ただ、地元住民の意見は、観光促進に役立つと主張する賛成派より、看板を「粗暴なアイデア」「ハリウッド人気への便乗」などと批判する反対派とに二分されている。24日発表された市民300人を対象とする世論調査では反対派が64%と過半数を占め、「良いアイデア」との意見は22%にとどまった。
23日夜には、空港で約80人ほどによる抗議行動も発生。米SNS(ソーシャルネットワークサービス)のフェイスブック(Facebook)上でも、ウェリウッド反対ページが24日夜時点で2万3000人の支持を集めたのに対し、賛成派のページへの支持は1万人と遅れを取っている。
ニュージーランドのジョン・キー(John Key)首相も、「看板を設置するのは彼らの自由だ。だが、個人的には『ウェリントン』のほうがいい」と語っている。
■「商標権」主張するハリウッド、空港会社は「ライセンス料」で対抗
「ウェリウッド」大看板の構想は15か月前に浮上した。米ハリウッド商工会議所(Hollywood Chamber of Commerce)のレロン・ガブラー(Leron Gubler)会頭は、21日の空港会社の計画発表に失望感を表明。ハリウッド側の懸念が無視されたとして空港側を非難するとともに、「ハリウッド」の看板デザインの商標権は同商工会議所が所有しているとの認識を求めた。
同会頭はAFPの取材に、「弁護士を通じて解決することも可能だが、既にウェリントンで論争となっている計画についてそうした手段を用いるのは残念なことだ。我々にはユーモアのセンスがないわけではないが、法的権利もないわけではない」との声明を電子メールで発表した。
これに対し空港会社側は、ハリウッド商工会議所にライセンス料を支払う準備があるとする同商工会議所宛ての今月初めの書簡を公開。「ウェリウッド看板の設置計画に関する当社の姿勢は変わらないが、ハリウッド商工会議所と協議する用意はある」との声明を発表した。
米カリフォルニア(California)州ハリウッドの名物看板は、1923年に「Hollywoodland」という不動産業者が自社宣伝のために立てたもので、1940年代に「land」の4文字が取り除かれた。その後1970年代に、ぼろぼろになった看板を米男性誌「プレイボーイ(Playboy)」の創業者ヒュー・へフナー(Hugh Hefner)氏が1文字につき1スポンサーを募って修復させた。
へフナー氏は昨年にも、ハリウッドの看板周辺地域を開発から保護するための基金を設立し、再度、ハリウッドの看板に貢献している。(c)AFP
地元の反対に加え、本家ハリウッドの商工会議所は商標権の侵害だとして訴訟も辞さない構えを見せているが、空港会社側はあくまでも計画を推進する方針だ。
■「映画の都」アピール、地元は反対派優勢
計画では、高さ8メートル、長さ30メートルの巨大な看板を、市内を見下ろす空港敷地内の丘に設置する。空港会社は設置理由として、ウェリントンが近年、大ヒット映画『ロード・オブ・ザ・リング(Lord of the Rings)』シリーズの撮影が行われるなど、映画産業の拠点として発展しつつあることを挙げている。
ただ、地元住民の意見は、観光促進に役立つと主張する賛成派より、看板を「粗暴なアイデア」「ハリウッド人気への便乗」などと批判する反対派とに二分されている。24日発表された市民300人を対象とする世論調査では反対派が64%と過半数を占め、「良いアイデア」との意見は22%にとどまった。
23日夜には、空港で約80人ほどによる抗議行動も発生。米SNS(ソーシャルネットワークサービス)のフェイスブック(Facebook)上でも、ウェリウッド反対ページが24日夜時点で2万3000人の支持を集めたのに対し、賛成派のページへの支持は1万人と遅れを取っている。
ニュージーランドのジョン・キー(John Key)首相も、「看板を設置するのは彼らの自由だ。だが、個人的には『ウェリントン』のほうがいい」と語っている。
■「商標権」主張するハリウッド、空港会社は「ライセンス料」で対抗
「ウェリウッド」大看板の構想は15か月前に浮上した。米ハリウッド商工会議所(Hollywood Chamber of Commerce)のレロン・ガブラー(Leron Gubler)会頭は、21日の空港会社の計画発表に失望感を表明。ハリウッド側の懸念が無視されたとして空港側を非難するとともに、「ハリウッド」の看板デザインの商標権は同商工会議所が所有しているとの認識を求めた。
同会頭はAFPの取材に、「弁護士を通じて解決することも可能だが、既にウェリントンで論争となっている計画についてそうした手段を用いるのは残念なことだ。我々にはユーモアのセンスがないわけではないが、法的権利もないわけではない」との声明を電子メールで発表した。
これに対し空港会社側は、ハリウッド商工会議所にライセンス料を支払う準備があるとする同商工会議所宛ての今月初めの書簡を公開。「ウェリウッド看板の設置計画に関する当社の姿勢は変わらないが、ハリウッド商工会議所と協議する用意はある」との声明を発表した。
米カリフォルニア(California)州ハリウッドの名物看板は、1923年に「Hollywoodland」という不動産業者が自社宣伝のために立てたもので、1940年代に「land」の4文字が取り除かれた。その後1970年代に、ぼろぼろになった看板を米男性誌「プレイボーイ(Playboy)」の創業者ヒュー・へフナー(Hugh Hefner)氏が1文字につき1スポンサーを募って修復させた。
へフナー氏は昨年にも、ハリウッドの看板周辺地域を開発から保護するための基金を設立し、再度、ハリウッドの看板に貢献している。(c)AFP