【4月3日 AFP】米男性誌プレイボーイ(Playboy)のフィリピン版が2日、創刊された。全裸のヌードは掲載しない方針だが、カトリック教会からは抗議の声が上がっている。

 編集長のBeting Laygo Dolor氏によると、フィリピン版はほかの国で発売されているものより「控えめ」な内容に調整してあるという。この国の国民は大半がカトリック教徒で保守的な国柄であるためだ。

 編集長は、露骨な内容の国内男性誌「FHM」や「Maxim」などと競い合うつもりはないことを強調し、「もう少し大人で高所得者の男性読者層がターゲットだ」と話している。「この雑誌の芸術性や記事、写真を評価して買うような人たちだ」

 50年以上前に米国で創刊されたプレイボーイ誌の海外版が創刊されるのは、フィリピンが25か国目。

 2006年にイスラム教徒が国民人口の大半を占めるインドネシアでプレイボーイ誌が創刊された際には抗議運動が起こり、広告主が手を引く事態となった。だがフィリピンで同様の社会不安が起きることはことはないと、編集長はみている。

 一方、フィリピン・カトリック司教会議(Catholic Bishops' Conference of the PhilippinesCBCP)のPedro Quitorio司祭は、「貧困から汚職まで多くの問題が山積しているフィリピンに、さらに別の道徳的問題を抱える余裕はない」と指摘。道徳観を崩壊させるプレイボーイ誌については、当局による調査が必要だとつけ加えた。

 CBCPのPedro Arigo司祭は、「すでに同国には成人向けの雑誌が氾濫しているので、プレイボーイ誌によりフィリピンの性文化がさらに退廃するだろう」と話している。(c)AFP