【9月28日 AFP】英国航空操縦士協会(British Airline Pilots' AssociationBALPA)の調査で、英国のパイロットの56%が操縦中に居眠りをした経験があり、29%は「目が覚めたら副操縦士も眠っていた」と答えていたことが分かった。

 調査はBALPAから委託された調査会社ComResが英国のパイロット500人を対象に実施。「過去6か月の間に、疲労が操縦に支障を来していると思ったことが少なくとも月に1度はあった」と答えた人は全体の43%、「飛行の安全性に対する最大の脅威は疲労」だと回答したのは49%、「企業文化として疲労を報告できない雰囲気がある」と答えたのは約30%に上った。

 英国ではある航空会社のエアバス(Airbus)A330型機の機長と副操縦士が8月13日、自動操縦で飛行中にそろって居眠りしていたという不祥事が発覚したばかり。どの航空会社かは明らかにされておらず、国内メディアはヴァージンアトランティック航空(Virgin Atlantic Airways)だと報じているが、同社は「そのような報告は受けていない」としている。

 民間航空局(Civil Aviation AuthorityCAA)によると、居眠りをしていたパイロットの1人は「機長と副操縦士の2人ともフライトの前日と前々日の睡眠時間は5時間しかなかった」と話しているという。

 欧州議会(European Parliament)はパイロットなど航空会社従業員の労働時間の上限に関する規制の改正案を30日に採決する予定だ。しかしBALPAはこの改正によってパイロットが22時間にわたって眠らずにいることを要求される恐れがあり、危険だと主張している。(c)AFP/Katy Lee