【9月3日 AFP】米通信大手ベライゾン(Verizon)と英携帯電話サービス大手ボーダフォン(Vodafone)は2日、両社の合弁会社ベライゾン・ワイヤレス(Verizon Wireless)の株式のうち、ボーダフォンが所有する45パーセントをベライゾンが1300億ドル(約12兆9000億円)で取得し、ベライゾン・ワイヤレスを買収することで合意した。

 ベライゾンはボーダフォンに対し、現金589億ドル(約5兆9000億円)を支払い、残金として時価総額約602億ドル(約6兆円)分の自社株を提供することを明らかにした。ボーダフォンは、このうち840億ドル(約8兆3000億円)を株主に還元し、今後3年間に同社のネットワークとサービスの向上を目指して90億ドル(約9000億円)を有機的な投資に向けるとしている。

 調査会社ディーロジック(Dealogic)によると、今回の買収金額は世界の企業合併・買収(M&A)史上でも2番目の規模だという。過去最大は、ボーダフォンによる1999年のドイツ通信大手マンネスマン(Mannesmann)の買収で、負債を含む約17兆円規模とされている。

 この巨額取引が英経済に与える影響について、2009年に同国中央銀行のイングランド銀行(Bank of England)が注入した数千億ポンドに匹敵する規模になるとみるアナリストもいる。(c)AFP/Roland JACKSON