【8月30日 AFP】総務省が30日に発表した日本の7月の消費者物価指数(CPI)は、値動きの激しい生鮮食品を除いた総合指数が前年同月比0.7%上昇し、およそ5年ぶりの上げ幅となった。金融緩和政策を進める安倍政権にとっては心強い結果といえるが、賃金が伸び悩む中で家計には重圧となりそうだ。

 7月のCPI上昇率は、エネルギー価格の高騰で輸入コストが膨らみデフレ圧力が一時的に相殺された2008年11月の1.0%以来の高さを記録した。6月にも1年2か月ぶりに0.4%上昇しており、2か月連続のプラスとなった。

 みずほ証券リサーチ&コンサルティング(Mizuho Securities Research and Consulting)の宮川憲央(Norio Miyagawa)氏は、物価上昇は日本経済が堅調に回復しつつあることを示すさらなる証拠だとしつつ、どれだけ早期に賃金を引き上げられるかが次の課題だと指摘している。

 個人消費の動きを示す7月の消費支出は前年同月比でわずか0.1%増にとどまり、勤労者世帯の可処分所得の伸びも0.4%にとどまった。

 安倍晋三(Shinzo Abe)首相が進める経済政策「アベノミクス」は一部で効果が見られるものの、現在の物価上昇は電気料金やガソリンの値上がりに後押しされたもので、給与水準がなかなか上がらない現状では一般家庭の負担が増える結果になりかねない。(c)AFP/Miwa SUZUKI