【7月10日 AFP】イタリア・アベザノ(Avezzano)の市長と市議会議員たちが、予算節約のため、自らブラシを持って職場の壁の塗りかえ作業を行っている。彼らは残業どころか、必要経費を自費でまかなうことも厭わない──。

 アベザノ市は、大地震に襲われた同国中部ラクイラ(L'Aquila)にほど近い。市の財政担当者は「このアイデアは瞬く間に共感を得ることができた。全職員が協力してくれた」と述べた。

「経済的に困難な時期に、我々は1万ユーロ(約130万円)を節約した。市長、同僚、そして私自身も、この作業に必要な道具を買いそろえるために470ユーロ(約6万1000円)を自腹で支払った」
 
 現在では、ほぼ全ての職場の塗り替え作業が終了したが、議会職員の家族や地元住民たちは「市民的義務感」からか、作業を進める職員らに飲食物を差し入れているという。

 イタリアは近年、深刻な景気後退に陥っており、多くの地方自治体が債務に苦しみ、少しでも歳入の増加を図ろうと躍起になっている。(c)AFP