【6月22日 AFP】露国営石油会社ロスネフチ(Rosneft)は21日、今後25年にわたり原油を中国に供給する2700億ドル(約26兆円)の契約を、中国国有の中国石油天然ガス集団(China National Petroleum CorporationCNPC)と結んだ。ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、同国のエネルギー供給先を欧州以外に広げる取り組みを続けている。

 これは、世界最大のエネルギー産出国であるロシアと、世界最大のエネルギー消費国である中国との間の、世界石油産業の歴史における最大の取引の1つとなった。契約書は、プーチン大統領の立会いのもと、ロスネフチのイーゴリ・セーチン(Igor Sechin)会長とCNPCの周吉平(Zhou Jiping)総経理によって署名された。

 契約調印後、プーチン大統領はサンクトペテルブルク国際経済フォーラム(International Economic Forum)の年次会合に出席した投資家たちを前に、この契約は「前例のない」規模のものであると語った。多額の負債を抱えているロスネフチ社はこの取引で、700億ドル(約6兆7900億円)の前払い金を受け取ることになるという。「中国の消費量は増加するだろう。また日本での消費量も増えるだろう」とプーチン大統領は述べ、「欧州は一定の困難を経験するだろう」と付け加えた。

 別の取引では、フランスの石油大手トタル(Total)が20%を持ち、残りをロシアの独立系ガス生産・販売会社ノヴァテク(Novatek)が所有する北極液化天然ガス事業の20%をCNPCが取得する予定。(c)AFP/Marina KORENEVA