【6月2日 AFP】欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会(European Commission)のネーリー・クルス(Neelie Kroes)副委員長(デジタル戦略担当)は5月30日、EUにおける携帯通信サービス市場の抜本的な改革を提言した。この提言には、消費者グループから長らく不満の声が上がっていたローミング料金の撤廃も含まれており、合意されれば2015年か2016年に実施されることになる。

 ローミング料金とは、携帯電話やタブレットPCの利用者が、契約している通信事業者のサービスを外国など契約事業者のサービス範囲外で利用した際、通信会社に支払う追加料金のこと。

 経済成長と雇用拡大を後押しするためEUは通信の欧州単一市場を創出すべきだと述べたクルス副委員長は、来年の欧州議会選挙を控えた欧州議会議員らに「みなさんがそれぞれの選挙区に帰った時、有権者にローミング料金をなくすことは可能だと言えるようにしたい」と発言し、EUが市民の生活に関わっていることを示して進展を見せていく必要があると述べた。

 クルス副委員長はまた、サイバー犯罪に対する実効性のある対応や、インターネットのトラフィックはすべて平等に扱われるべきだとする「ネット中立性(net neutrality)」の保証に向けても取り組んでいくと述べた。(c)AFP