【5月28日 AFP】経済協力開発機構(OECD)などが27日発表した2013年版アフリカ経済見通し(African Economic Outlook)によると、アフリカ経済は、2009年の世界的な景気後退以前のレベルの成長率に回復していないものの、中期見通しは明るい。また報告書は、アフリカにおける格差の拡大と、多国籍企業による制度の悪用を批判した。

 報告書は、OECDとアフリカ開発銀行(African Development BankAfDB)、国連アフリカ経済委員会 (Economic Commission for AfricaECA)、国連開発計画(UN Development ProgrammeUNDP)が共同作成した。

「2013年の成長見通しは4.8%、14年は同5.3%で、アフリカの経済成長率は2009年の世界的な景気後退以前の平均成長率より低いままとなるだろう」と報告書は述べている。アフリカの昨年の成長率は6.6%だった。年2%の人口増の中でアフリカ大陸の貧困を減らすためには年7%成長が必要だという。

 報告書は、アフリカの貧困が十分な速さで減少していないと指摘している。「貧困の減少速度は、大半の国で国連のミレニアム開発目標(Millennium Development Goals)の目標値に届かない」と述べた。また、「所得格差が拡大しており、一部の国では保健と教育の水準が低下している」と指摘した。

 アフリカ大陸に流入する資金は2012年、過去最大の1863億ドル(約19兆円)を記録した。外国からの投資資金の大半は、南アフリカと、産油国のアンゴラ、天然ガスの豊富なモザンビークに入った。主な成長産業は、通信、金融、保険などのサービス部門だった。

 また、報告書は、多国籍企業へのより公平な課税を行う税制改革の重要性を訴えた。「税制上における過度の優遇措置や資源採掘産業への課税の非効率性、多国籍企業による移転価格の悪用に対策出来ていないことなどが障壁になっている」と報告書は結論づけた。(c)AFP