【5月15日 AFP】カナダの一部地域では13日夜から気温が大幅に低下して霜注意報が出され、首都オタワ(Ottawa)周辺のリンゴ農園では上空にヘリコプターを飛ばして地表近くの温かい空気をとどめようとするなど、対応に追われている。気温は14日午前3時ごろ(日本時間14日午後4時ごろ)、零下2度にまで下がった。

 オタワの南約60キロメートルにある面積およそ25エーカーの果樹園、マウンテン・アップル・オーチャーズ(Mountain Apple Orchards)を経営するフィル・ライアル(Phil Lyall)さんは公営放送CBCに対し、栽培する1万本のリンゴの木を守るため、13日夜から数千ドルを支払ってヘリコプターの飛行を依頼したと話した。夜通しヘリコプターが上空を飛ぶことによって、地表の温度が氷点下になるのを防げるという。

 アルゼンチンやニュージーランドなどの果樹園では気温の低下を防ぐため、この方法が使われると聞いたライアルさんがこの方法を試みるのはここ2年で2度目。昨年は、この方法で気温が零下3度から摂氏3度まで上昇したという。

 ライアルさんによると、気温が零度以下になった場合、リンゴの約10%が傷んで出荷できなくなる可能性があるが、零下2度でひと晩が過ぎれば、約90%が著しい被害を受ける可能性がある。

「マッキントッシュ(MacIntosh)種のリンゴはちょうど花が満開になる時期で、一部の木はすでに満開を迎えている。つまり、最も影響を受けやすい時期だ」という。(c)AFP