GM作物の特許権侵害訴訟、米最高裁が企業側の訴え認める
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【5月14日 AFP】米アグリビジネス大手モンサント(Monsanto)が、自社が開発した遺伝子組み換え作物の特許権を侵害したとして2007年に米インディアナ(Indiana )州の農家を訴えていた裁判で、米連邦最高裁は13日、モンサント側の主張を認める判決を下した。
裁判官らは全員一致で「特許権が設定されている種子を、農家が栽培や収穫を通じて、特許権所有者の許可なく再生産すること」は特許法で認められていないとの判断を下した。
10ページに及ぶ判決書によれば争点となっていたのは、特許権が設定された商品が売られた後、購入者が「その品物を使用および再販売する権利」を定めた「特許権の消尽(しょうじん)」。しかし、エレナ・ケーガン(Elena Kagan)判事は「そうした販売には、特許発明品の複製を新たに作ることは含まれない」と述べた。
この裁判はインディアナ州で農業を営むバーノン・ヒュー・バウマン(Vernon Hugh Bowman)さん(75)が、モンサント社が開発に10年以上をかけた除草剤耐性大豆を連作・栽培し、販売していることは知的所有権の侵害にあたるとしてモンサント側が07年に訴えた。
問題の大豆は、モンサント社の除草剤「ラウンドアップ(Roundup)」に耐性を持つ遺伝子組み換え作物「ラウンドアップレディー(Roundup Ready)」の除草剤耐性大豆。ラウンドアップを畑全面に散布できるようにするもので、96年に開発され、現在米国の大豆農家27万5000軒のうち9割が使用している。
バウマンさんは、モンサントとの契約を遵守し、毎年第1回目の作付けのためには新たにラウンドアップレディーを購入したと述べていた。しかし経営が苦しいときにはラウンドアップレディーを含むより安価な混合製品を別企業から購入し、そこからラウンドアップレディーだけをえり分け、2回目の作付けに使っていたとも述べていた。
ケーガン判事は「特許権の消尽に照らせば、別企業から購入した特許大豆をバウマン氏は再販売することも、自分で使用することもできるが、モンサントの許可なしに栽培することはできない。バウマン氏がやっていたことはこの部分に相当する」と指摘している。(c)AFP/Chantal Valery
裁判官らは全員一致で「特許権が設定されている種子を、農家が栽培や収穫を通じて、特許権所有者の許可なく再生産すること」は特許法で認められていないとの判断を下した。
10ページに及ぶ判決書によれば争点となっていたのは、特許権が設定された商品が売られた後、購入者が「その品物を使用および再販売する権利」を定めた「特許権の消尽(しょうじん)」。しかし、エレナ・ケーガン(Elena Kagan)判事は「そうした販売には、特許発明品の複製を新たに作ることは含まれない」と述べた。
この裁判はインディアナ州で農業を営むバーノン・ヒュー・バウマン(Vernon Hugh Bowman)さん(75)が、モンサント社が開発に10年以上をかけた除草剤耐性大豆を連作・栽培し、販売していることは知的所有権の侵害にあたるとしてモンサント側が07年に訴えた。
問題の大豆は、モンサント社の除草剤「ラウンドアップ(Roundup)」に耐性を持つ遺伝子組み換え作物「ラウンドアップレディー(Roundup Ready)」の除草剤耐性大豆。ラウンドアップを畑全面に散布できるようにするもので、96年に開発され、現在米国の大豆農家27万5000軒のうち9割が使用している。
バウマンさんは、モンサントとの契約を遵守し、毎年第1回目の作付けのためには新たにラウンドアップレディーを購入したと述べていた。しかし経営が苦しいときにはラウンドアップレディーを含むより安価な混合製品を別企業から購入し、そこからラウンドアップレディーだけをえり分け、2回目の作付けに使っていたとも述べていた。
ケーガン判事は「特許権の消尽に照らせば、別企業から購入した特許大豆をバウマン氏は再販売することも、自分で使用することもできるが、モンサントの許可なしに栽培することはできない。バウマン氏がやっていたことはこの部分に相当する」と指摘している。(c)AFP/Chantal Valery