【4月22日 AFP】麻生太郎(Taro Aso)財務相は21日、米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)に対し、日本の自律的な景気回復は少なくとも「2~3年先」になると述べ、デフレ脱却には2年以上かかるとの見通しを示した。

 麻生財務相は「数年かかるだろう。2~3年とみている」と述べるとともに、2年間で2%の物価上昇率を実現するとの日本銀行(Bank of Japan)の目標について、「日銀の予想よりも長くかかるのではないかと考えている」と語った。

■G20では日銀政策に一定の理解

 これに先立って、米ワシントンD.C.(Washinton, DC)で開かれた主要20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は19日、日本の大型金融緩和策について、デフレ脱却のために必要だとみなして慎重ながら是認する共同声明を採択した。

 米国など多くの国は、日本が意図的な円安誘導で輸出拡大を狙っているとの懸念を表明していたが、共同声明では日本の政策は「デフレ脱却と内需支援を目指したもの」との認識を共有した。

■日本に「中期的な経済成長計画」求める

 国際通貨基金(International Monetary FundIMF)は20日、主要国に成長を促進し雇用創出をうながす改革を行うよう強く求め、世界経済への信頼が失われつつあると警告した。一方、新興国や経済規模の小さい国々に対しては、主要国が異例の金融刺激策や低金利政策で経済活性化を試みる中で不測の混乱が起きる可能性があるとして、金融防衛策を強化するよう忠告した。

 国際通貨金融委員会(IMFC)のターマン・シャンムガラトナム(Tharman Shanmugaratnam)議長は、「世界経済の信頼性は依然、危機に直面している。欧州は景気後退と一部国家の経済危機に苦しみ、日米は巨額の債務と財政赤字を確実に克服できる計画を立てられずにいる」と指摘した。

 また、IMFのクリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde)専務理事も、最新のIMF政策アジェンダの中で、日米欧はもっと断固たる対応を取り、将来の持続可能な成長に対する信頼を構築する必要があると述べている。

 ラガルド氏はさらに、世界最大の債務国の1つである日本について、短期的な財政刺激策が財政リスクを高めているとして、日本政府に赤字削減と中期的な経済成長維持のための「野心的な」計画を立案するよう求めた。(c)AFP