ソウルモーターショー、主役は電気自動車とSUV
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【4月2日 AFP】韓国で3月29日に開幕した自動車見本市「ソウルモーターショー(Seoul Motor Show)」では、ガソリンを大量消費するスポーツ用多目的車(SUV)と、環境に優しい電気自動車(EV)、そしてその両者の良い面を合わせ持たせようと試みる自動車が、センターステージを飾っている。ソウルモーターショーは、2年に1回開催される。
モーターショーには現代自動車(Hyundai Motor)、トヨタ自動車(Toyota Motor)、ゼネラル・モーターズ(General Motors、GM)、BMW、フォルクスワーゲン(Volkswagen)、フォード・モーター(Ford Motor)などの大手自動車メーカーが参加。9車種が世界初公開となった。アジアのモーターショーといえば、東京や北京(Beijing)が有名だが、10日間の日程で開催されるソウルモーターショーもその知名度を上げようと取り組んでいる。
混雑したアジアの都市部を運転するドライバーにとっては、車体の重さと燃費の悪さがネックとなるSUV。それでもここしばらくの間、こういったショーで注目を集めていたのは、トヨタの第4世代RAV4などのSUVだった。
■ルノーが小型SUVとEVを発表
フランスの自動車大手ルノー(Renault)は、同モーターショーで、SUVと乗用車をクロスオーバーさせ小型化した、「QM3」をアジア市場デビューさせた。
最近開催されたジュネーブ国際自動車ショー(Geneva International Motor Show)で世界デビューしたカラフルなオレンジ色の同車は、今年第2四半期に発売が予定されている。近年セールスが落ち込んでいるルノーの韓国部門、ルノーサムスン自動車(Renault Samsung Motors)はこのモデルが同社の「新たなスタート」になると期待を寄せている。
またルノーサムスンは、韓国南部釜山(Busan)で今年、EVセダン「SM3 Z.E.」の製造を開始する計画を発表した。SM3 Z.E.は一回の充電で120キロメートルの走行が可能で、最高時速は135キロだ。
■現代自動車の「燃料電池自動車」
現代自動車は「ツーソン(Tucson)」の水素燃料電池モデルを披露。大気中の水素と酸素を使って発電する同車種は、バッテリー型のEVよりもはるかに長距離を走行可能だ。すでに2月から韓国南部の蔚山(Ulsan)で製造が始まっている。
「われわれは世界で初めて、ドイツや日本、米国よりも先に、水素燃料電池自動車の商品化技術を手に入れた」と、現代自動車の最高経営責任者(CEO)は述べた。
現代自動車は15年までに年間1000台の世界販売台数を目指しており、燃料電池自動車を独自開発している本田技研工業(ホンダ、Honda Motor)やトヨタといったライバルと比べて2年先を歩んでいると主張している。
■GMが「新ベンチマーク」EV、日産は「ワイヤレス充電」
一方、GMは、シボレー・スパーク(Chevrolet Spark)のEVをアジアで初披露。都市型EVの「新たなベンチマーク」になる車種だと意気込みをみせている。
同車種に搭載されたリチウムイオンバッテリーは、20分でフル充電の約80%まで充電が可能。また、停止状態から時速100キロまでの加速時間は約9秒。製造は3月から、南部・昌原(Changwon)の工場で既に始まっている。
また、日産自動車(Nissan Motor)の高級車ブランド「インフィニティ(Infiniti)」は、ワイヤレス充電システムで知られる新型EVセダン「LE Concept」を披露した。
■EV市場の行き先は?
大手メーカーが次々とEVを開発する中、韓国の大林大学校(Daelim University)の自動車関連の専門家、Kim Pil-Su氏は、EV市場には多くの課題が残されていると指摘する。「ハイブリッドカーは市場に確固とした居場所を築いたが、EVはまだ長い長い道のりがある」と、Kim氏は自動車ショーに合わせて開催されたフォーラムで語った。
Kim氏によると、充電ステーションなどのインフラ不足、価格の高さ、「見当違いの」広報戦略によって、EV市場は当初の勢いを失いつつあるという。「EVを消費者にとってより魅力的にするには、ガソリン車を置き換える車としてでなく、都市部でのドライブや短い走行距離の移動などに使うセカンドカーとしてマーケティングする方が良い」とKim氏は語った。
ソウルモーターショーは4月7日まで開催される。(c)AFP/Jung Ha-Won
モーターショーには現代自動車(Hyundai Motor)、トヨタ自動車(Toyota Motor)、ゼネラル・モーターズ(General Motors、GM)、BMW、フォルクスワーゲン(Volkswagen)、フォード・モーター(Ford Motor)などの大手自動車メーカーが参加。9車種が世界初公開となった。アジアのモーターショーといえば、東京や北京(Beijing)が有名だが、10日間の日程で開催されるソウルモーターショーもその知名度を上げようと取り組んでいる。
混雑したアジアの都市部を運転するドライバーにとっては、車体の重さと燃費の悪さがネックとなるSUV。それでもここしばらくの間、こういったショーで注目を集めていたのは、トヨタの第4世代RAV4などのSUVだった。
■ルノーが小型SUVとEVを発表
フランスの自動車大手ルノー(Renault)は、同モーターショーで、SUVと乗用車をクロスオーバーさせ小型化した、「QM3」をアジア市場デビューさせた。
最近開催されたジュネーブ国際自動車ショー(Geneva International Motor Show)で世界デビューしたカラフルなオレンジ色の同車は、今年第2四半期に発売が予定されている。近年セールスが落ち込んでいるルノーの韓国部門、ルノーサムスン自動車(Renault Samsung Motors)はこのモデルが同社の「新たなスタート」になると期待を寄せている。
またルノーサムスンは、韓国南部釜山(Busan)で今年、EVセダン「SM3 Z.E.」の製造を開始する計画を発表した。SM3 Z.E.は一回の充電で120キロメートルの走行が可能で、最高時速は135キロだ。
■現代自動車の「燃料電池自動車」
現代自動車は「ツーソン(Tucson)」の水素燃料電池モデルを披露。大気中の水素と酸素を使って発電する同車種は、バッテリー型のEVよりもはるかに長距離を走行可能だ。すでに2月から韓国南部の蔚山(Ulsan)で製造が始まっている。
「われわれは世界で初めて、ドイツや日本、米国よりも先に、水素燃料電池自動車の商品化技術を手に入れた」と、現代自動車の最高経営責任者(CEO)は述べた。
現代自動車は15年までに年間1000台の世界販売台数を目指しており、燃料電池自動車を独自開発している本田技研工業(ホンダ、Honda Motor)やトヨタといったライバルと比べて2年先を歩んでいると主張している。
■GMが「新ベンチマーク」EV、日産は「ワイヤレス充電」
一方、GMは、シボレー・スパーク(Chevrolet Spark)のEVをアジアで初披露。都市型EVの「新たなベンチマーク」になる車種だと意気込みをみせている。
同車種に搭載されたリチウムイオンバッテリーは、20分でフル充電の約80%まで充電が可能。また、停止状態から時速100キロまでの加速時間は約9秒。製造は3月から、南部・昌原(Changwon)の工場で既に始まっている。
また、日産自動車(Nissan Motor)の高級車ブランド「インフィニティ(Infiniti)」は、ワイヤレス充電システムで知られる新型EVセダン「LE Concept」を披露した。
■EV市場の行き先は?
大手メーカーが次々とEVを開発する中、韓国の大林大学校(Daelim University)の自動車関連の専門家、Kim Pil-Su氏は、EV市場には多くの課題が残されていると指摘する。「ハイブリッドカーは市場に確固とした居場所を築いたが、EVはまだ長い長い道のりがある」と、Kim氏は自動車ショーに合わせて開催されたフォーラムで語った。
Kim氏によると、充電ステーションなどのインフラ不足、価格の高さ、「見当違いの」広報戦略によって、EV市場は当初の勢いを失いつつあるという。「EVを消費者にとってより魅力的にするには、ガソリン車を置き換える車としてでなく、都市部でのドライブや短い走行距離の移動などに使うセカンドカーとしてマーケティングする方が良い」とKim氏は語った。
ソウルモーターショーは4月7日まで開催される。(c)AFP/Jung Ha-Won