【3月28日 AFP】ドイツの首都ベルリン(Berlin)で、宅地開発のため冷戦を象徴する「ベルリンの壁(Berlin Wall)」の一部を撤去する計画をめぐって抗議行動が起きている問題で、27日未明、開発業者が壁の一部を予告なしに撤去した。

 撤去対象となっているのは「イースト・サイド・ギャラリー(East Side Gallery)」として知られる長さ約1.3キロメートルの壁で、今回の作業では6メートル以上が抜き取られた。

 問題の住宅開発を行う投資グループ「Living Bauhaus」は今回の撤去について、建設現場への通路を確保するための「一時的な措置」で、最終的には元に戻す予定だと説明している。また、地元当局と近隣地区の出資者らとの4週間にわたる話し合いでは「実現可能な代替案は出なかった」ため、撤去はやむを得なかったとも説明している。

 壁の撤去は今月初めに始まったが、撤去反対派の人々が数回にわたり壁周辺で抗議デモを展開。28日にもデモが予定されている。「Living Bauhaus」は26日にも市当局と、宅地開発の代替地について協議したが、合意に至らなかった。(c)AFP