【3月27日 AFP】日本、中国、韓国の自由貿易協定(FTA)締結に向けた公式交渉が26日、ソウル(Seoul)で始まった。世界の国民総生産の約20%を占める3か国経済の結束を目指す。

 日中韓は共に、最近になって政権交代を果たした。貿易担当官らは、3か国が新たな指導部の下で、互いに抱える領土問題を乗り越えることができると期待している。日中韓FTA構想は数十年にわたり検討されてきた。外交筋によると、今回の交渉を特に強く後押ししたのは中国で、その目的の一つには、アジアにおける米国主導への対抗がある。

 米国主導の環太平洋パートナーシップ協定(Trans-Pacific PartnershipTPP)交渉については、中国の経済成長に対し、米国がアジアでの役割を再確認するためにアジアに「軸足」を定める動きの一環とする見方もある。

 第1回交渉はソウルで3日間にわたり行われる。韓国の担当官がAFPに伝えたところによると、実質的な交渉はなされず、今後の交渉に向けて適用範囲、協議事項、手続きといった大まかな事柄を扱う予定だという。(c)AFP