【3月7日 AFP】Tシャツ会社ソリッド・ゴールド・ボム(Solid Gold Bomb)が販売したTシャツに「Keep Calm and Rape A Lot(冷静にどんどんレイプしろ)」「Keep Calm and Kill Her(冷静に彼女を殺せ)」といった語句がプリントされていたことが分かった。同社には批判が殺到し、廃業に追い込まれかねない事態となっている。
 
 これらの語句は第2次世界大戦中に英国政府が制作した国民向けポスターの標語「Keep Calm and Carry On(冷静に普段の生活を続けよう)」をもとに、コンピューターでオンライン辞書などから自動的に単語を選んで作成したもので、主にオンライン小売大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)のウェブサイトで販売していた。

 フェイスブック(Facebook)やツイッター(Twitter)でも批判が相次ぎ、ソリッド・ゴールド・ボムはアカウントを削除した。オーストラリア人の創業者、マイケル・ファウラー(Michael Fowler)氏は自社ウェブサイトで「今の心境を表す言葉は見つからない。このように深刻な事態を招く意図は全くなかった」と述べ、謝罪した。

 ファウラー氏が豪紙シドニー・モーニング・ヘラルド(Sydney Morning Herald)に語ったところによると、1日に300~1700枚だったアマゾン・ドットコム経由の同社のTシャツ販売枚数は1日3枚程度にまで落ち込んだ。同社はアマゾン・ドットコムと自社ウェブサイトでしか販売していないため、ファウラー氏は廃業もやむを得ないかもしれないと語っている。
 
 ファウラー氏によれば、自動的に作成された言葉のほとんどは「Keep Calm and Dream On(冷静に夢を見続けよう)」といった無害なものだったが、時には「冷静に彼女を刺し殺せ」や「絞め殺せ」など物騒な言葉の組み合わせもあった。こうした暴力的なスローガンがプリントされたTシャツのうち、実際に売れたものがあるかどうかは不明だという。

 ソリッド・ゴールド・ボムは「Keep Calm」Tシャツシリーズを同社およびアマゾンのウェブサイトから全て削除したほか、その他のパロディ標語Tシャツの削除も進めているという。

 同社は2008年にオーストラリア・メルボルン(Melbourne)で創業し、同年中に本社を英国のロンドン(London)に移した。現在は米国に拠点を置いているが、ファウラー氏はオーストラリアに住んでいる。(c)AFP