【3月7日 AFP】欧州連合(EU)は6日、米ソフトウエア大手マイクロソフト(Microsoft)が顧客にインターネット閲覧ソフト(ブラウザー)の選択肢を提供するという誓約を履行しなかったとして、5億6100万ユーロ(約684億円) の制裁金を科した。この問題をめぐってEUは、同社に誓約の順守状況の監視を任せ、適切な対応を怠ったとの批判を浴びている。

 欧州委員会のホアキン・アルムニア(Joaquin Almunia)副委員長(競争政策担当)は声明で、マイクロソフトは09年に、14年まで顧客がソフトを選択できるようにすると固く誓約したにもかかわらずこれを守らなかったと指摘し、「極めて重大な違反だ」と述べた。EUが誓約の不履行を理由として企業に制裁を加えるのは今回が初めてだという。

 欧州委員会の調査によると、マイクロソフトは同社の基本ソフト(OS)「ウィンドウズ7(Windows 7)」の販売にあたり、11年5月から12年7月までの14か月にわたり顧客がインターネット閲覧ソフトを選択できる画面を設定せず、約1500万人のパソコン購入者に影響を与えた。同社の誓約不履行になぜ気付かなかったのかと記者会見で質問されたアルムニア副委員長は、誓約の順守状況を監視し、これをEUに報告する責任はマイクロソフトにあると答えた。

 マイクロソフトは6日、「われわれはこの問題を招いた技術的な不具合について全責任を負う。これについて謝罪した」と述べ、再発防止にあらゆる手段を尽くすと表明した。同社は12年7月以降は誓約を順守している。(c)AFP/Bryan MC MANUS