【2月25日 AFP】フランス農業・食料・漁業省は23日、人体に害を及ぼす可能性のある薬品が残留した馬肉が、食品として流通・消費された疑いがあると発表した。欧州各国では、牛肉と偽装表示された馬肉が流通していたことが発覚して以来、各国で健康への懸念が高まっている。

 同省の報道官はAFPの取材に対し、フェニルブタゾンが残留した数頭分の馬肉が恐らくすでに消費されていると述べた。フェニルブタゾンは馬に使用される抗炎症薬だが、人体には有害となる可能性があり、法律で食肉には含まれないようにすることが定められている。

 英当局は、フェニルブタゾンを投与された馬6頭の肉が今年1月にフランスに輸出されたとフランス当局に通知したが、通知を受けた時点で馬肉は既に食肉加工されていた。

 ステファーヌ・ルフォル(Stephane Le Foll)農業・食料・漁業相は、これら食肉のうち一部は回収されたものの、3頭分に相当する馬肉は「恐らく」消費者の手に渡ったとみられると説明。ただし、馬肉から検出されたフェニルブタゾンは「非常に微量」であったため、「健康上のリスクはない」という。

 同相はまた、これらの馬肉は牛肉と偽装されていなかったことから、欧州各地で問題となっている馬肉スキャンダルとは無関係である点を強調した。とはいえ、一連の「牛肉偽装」問題には新たな側面が加わったといえる。(c)AFP/Sabine WIBAUX