【2月15日 AFP】シェールオイルの世界生産量が現在の米国並みのペースで拡大すると、原油価格を最大40%押し下げ、全世界の国内総生産(GDP)を最大3.7%押し上げる可能性があるとした報告書が14日、コンサルティング会社プライスウォーターハウスクーパース(PricewaterhouseCoopersPwC)により発表された。

 それによると、全世界のシェールオイル生産量は、2035年までに1日当たり最大1400万バレルに増加する可能性があるという。これは、世界の全石油生産量の約12%に相当する。

 米エネルギー省エネルギー情報局(Energy Information AdministrationEIA)は低水準のシェールオイル生産量を想定し、2035年の原油価格を1バレル133ドルと予想しているが、報告書では生産量の増加によって原油価格はこれよりも25~40%低くなると予想している。

 これにより、2035年の世界GDPは現在の水準から2.3~3.7%押し上げられるとPwCは予測している。この増加幅は、現在の世界GDPに基づくと1兆7000億~2兆7000億ドル(約160兆~250兆円)の増加に当たる。

 近年の技術的な進歩により、これまで不可能だったシェール(頁岩)層からの石油や天然ガスの取り出しが可能になっている。国際エネルギー機関(International Energy AgencyIEA)の試算によると、こうした「非在来型」資源の開発により、米国の石油生産量は急増しており、今年1月の日産量は過去30年で最高水準の91万バレルに達したという。米国の原油価格が世界相場に比べて低くなっているのはこのためだとPwCは指摘している。(c)AFP