【12月18日 AFP】米地方裁判所は17日夜、韓国サムスン電子(Samsung)のスマートフォン(多機能携帯電話)の米国内での販売差し止めを求めていた米アップル(Apple)の訴えを棄却した。

 特許侵害訴訟ではアップルが勝利していたが、該当機能が消費者の購入の決め手になったことをアップルが証明できなかったと、ルーシー・コー(Lucy Koh)判事は述べた。

「特許侵害の機能が使われているとはいえ、侵害していない機能もはるかに多く搭載されている。差し止めを裁判所が決定すれば、消費者はこれらの機能を利用することができなくなる。この度のケースのように、複合的で多数の機能を搭載した製品の限定的な部分にのみ特許侵害がある場合、その電話を市場から取り除くことは、公益に反する」(ルーシー・コー判事)

 コー判事は、特許で保護された「中核でない機能」を理由にスマートフォンを消費者から奪うことは公益に反すると述べ、さらに、「第1にして最も重要な点として、アップルはサムスンによる特許6件の侵害と、受けた損害との関連性を示すことができなかった」と述べた。

 アップルが求めていた販売差し止めは、サムスン製品26点だけでなく、サムスンが今後発売するアップルの特許を搭載した全モデルを含む「極めて広範囲」に及ぶものだった。

 サムスンは8月、アップルが持つスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」やタブレット型端末「iPad」の特許技術を自社のスマートフォン、ギャラクシーS(Galaxy S)で無断で採用したとして、10億5000万ドル(約880億円)の賠償支払いを命じる評決が下されている。(c)AFP