【11月26日 AFP】台湾の台北(Taipei)で25日、政府に大企業優遇政策の転換を求めるデモが行われ、参加者らが警官隊に卵を投げつけるなどした。

 デモ行進の終了後、広報担当者はAFPの取材に「怒りのはけ口として最大5000個の卵が投げられた」と語った。

 デモ隊は、有刺鉄線と機動隊により封鎖された総統府前まで行進した。主催者によると、労組50団体以上から最大4000人がデモに参加。一方、警察発表による参加者はおよそ3000人だった。

 デモは3時間に及んだが、機動隊とデモ隊の衝突は報告されていない。デモ隊は、経済政策や労働政策の「左傾化」を政府に求めた。

「新自由主義の下、今の政策は、資本家だけに利益をもたらしているようにみえる。経済成長の恩恵を平等に分配していない」とデモの広報担当者は語り「(労働者らは)生活苦に直面している」と述べた。

 政府は9月、最低賃金を月給1万8780台湾ドル(約5万3000円)から1万9047ドル(約5万4000円)に引き上げる提案を拒否し、労働団体が怒りの声を上げていた。一方、実業界のリーダーらは、最低賃金引き上げを実施すれば、低迷する世界経済の中で苦闘している企業が打撃を受けるとして、引き上げに反対していた。

 台湾の所得水準は過去10年間ほぼ横ばい。一方、10月の失業率は4.33%に上昇している。(c)AFP