【11月23日 AFP】中国のインターネット上で、建設中の道路の真ん中に建つ家の写真が話題を集めている。家主の年配夫婦は当局の立ち退き命令を拒否して今もこの家に住み続けており、多くの人から同情の声が寄せられている。

 中国国営メディアや情報サイトは23日、浙江(Zhejiang)省大渓(Daxi)の道路の中央分離帯上にぽつんと建つ、一部が壊れかかった5階建ての家の写真を一斉に掲載した。

 英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)によると、この家に住む67歳と65歳の夫婦は、大渓当局が提示した26万元(約340万円)の立ち退き料を不服として、4年間も中央分離帯上の家に住み続けている。

 中国では、地方政府が住民を立ち退かせた跡地を開発業者に売却し、巨額な資金を歳入源とする事例が多い。そうした中、この家のように立ち退き拒否を続ける建物は「くぎの家」と呼ばれている。固く打ち付けられたくぎのように動かすことが難しいという意味だ。

 中国版ツイッター「新浪微博(Sina Weibo)」には、ユーザーらから「すごい光景。このまま頑張って欲しい」「不利益を被るのは、いつも普通の人たちだ。政府のやり方は非人間的だ」など、夫婦にエールを送りつつ政府を批判するコメントが書き込まれている。(c)AFP