【11月15日 AFP】南欧のイタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャで14日、緊縮財政に抗議するゼネストやデモが行われ、産業活動や交通機関に影響が出た。一部ではデモやストの参加者と警官隊が衝突し、双方に負傷者も出た。

 約20人のデモ参加者が警官1人を取り囲んで棒や野球のバットでたたく場面も見られたイタリアのトリノ(Turin)では警官3人が負傷。この他に負傷した警官はミラノ(Milan)中心部で12人、同国北部のパドバ(Padua)で2人を数え、この日はイタリア全土で合わせて17人の警官が負傷した。

 ローマ(Rome)では、数十人の若者のグループが、警察の警戒線を突破して市の中心部に入ろうとし、石や瓶を投げ付けたり、車を大破させたりして暴徒化した。警察は催涙ガスの発射や装甲車の投入でデモ隊排除に動いた。

 スペインとポルトガルでは、イベリア半島(Iberian Peninsula)では初めて国を越えて協調したゼネストが行われ、一部の工場が操業を停止した。また、電車、バス、地下鉄に影響が出たほか、700を超える空の便が欠航となった。

 スペイン内務省報道官によると、正午前までにスペイン全土でデモ参加者62人が警察に身柄を拘束された。スペインでの負傷者は34人に上り、このうち18人が警官だという。(c)AFP