【10月26日 AFP】香りの強いコーヒーが好きなら、次の旅行先にタイはうってつけの場所かも──。タイの高級ホテルチェーンが、ゾウのふんから集めたコーヒー豆の販売を始めたからだ。

   「ブラック・アイボリー(Black Ivory)」と名付けられた新ブレンドは、ゾウが消化して排せつしたコーヒー豆を使用しており、なめらかな口当たりと強い香りが特徴とされている。

 販売元のアナンタラ・ホテルズ(Anantara Hotels)が「自然なプロセスで洗練された」と形容するこのブレンド。値段はなんと1キロ当たり1100ドル(約8万8000円)、カップ2杯分が約50ドル(約4000円)で、世界最高級ブレンドの1つだ。

 アナンタラは25日、AFPに送った声明で次のように説明している。「研究の結果、コーヒーに含まれるたんぱく質がゾウの消化酵素により分解されることが分かっています。たんぱく質はコーヒーの苦味の主な原因の1つとされているので、これが減ることにより苦味がほとんどなくなります」

 ゾウの体から排出されたコーヒー豆は、ゾウ使いによってふんの中から回収され、日干しされる。製造場所はアナンタラがタイ北部に持つゾウ保護センターで、ここには30頭のゾウがゾウ使いとその家族と共に暮らしているという。

 コーヒー市場では近年、「ブラック・アイボリー」のほかにも高級ブレンドが登場している。フィリピンやベトナム、インドネシアに生息する樹上性哺乳類ジャコウネコのふんから集められるコーヒー豆も、同価格帯で販売されている。ジャコウネココーヒーは米ニューヨーク(New York)のあるコーヒー店では1キロ748ドル(約6万円)で売られている。(c)AFP/Sebastian Smith