【10月24日 AFP】英国の宝くじで大金を当てた人たちのうち、5人に1人は当せん後も地道に働き続けていることが、英国営宝くじ運営委員会National Lotteryが22日に発表した調査報告書で分かった。

 英国で1994年に国営宝くじが導入されて以来、これまでに3000人あまりの億万長者が誕生しているが、National Lotteryによると、このうち59%は賞金獲得後すぐに仕事を辞めた一方、19%は当せん後もそのまま働き続けていた。また当せん者の31%が無給のボランティアをしていた。

 また、賞金を家族や親戚と分け合っていることも明らかになり、これによりさらに3780人が新たに億万長者になった。

 賞金で家やマンション、新車を購入した当せん者も多く、高額当せん者が購入した住宅の総数は7958戸、新車は1万7190台に上り、最も人気のあった車はアウディ(Audi)だった。このほか3人に1人はジャクージ(ジェットバス)を購入していた。海外旅行の行き先では米国が最も人気が高かった。

■英国経済に貢献

 一方、手にした大金で既存のビジネスを支援したり、自身で会社を立ち上げたりした人もいる。高額当せん者が支援または起業した英国内に拠点を置く企業は900社で、3195人の雇用に貢献した。

 賞金のほとんどは英国内で使われており、海外でぜいたくをしたという人は2%だった。宝くじの高額賞金による英国経済への貢献は7億5000万ポンド(約960億円)、納めた税金は5億ポンド(約640億円)に上った。

 経済コンサルタント会社オックスフォード・エコノミクス(Oxford Economics)のシニアエコノミストでNational Lotteryの報告書作成に参加したアンディ・ローガン(Andy Logan)氏は、宝くじ賞金のほとんどが英国内で使われており、その波及効果は当せん者の知り合いだけでなく英国経済にも大きく貢献していると指摘。子供の世代にまで波及効果が出ることも多いと述べた。(c)AFP