【10月14日 AFP】中国の9月の輸出は前年同月比で9.9%増加し、月別で過去最高を記録したと13日、中国政府が発表した。しかしアナリストらは、世界経済の見通しが弱含みであることから、この傾向は持続不可能だと警告した。

 中国税関総署はまた、中国と貿易相手国との摩擦の原因となっている貿易黒字が8月の267億ドル(約2兆930億円)から、9月は277億ドル(約2兆1700億円)に拡大したと発表した。

 世界経済の成長において重要な牽引役である中国経済、特に輸出の退潮傾向に世界の懸念が高まっている。より広範な世界経済の減速や欧州債務危機が中国の輸出に影響を与えている。

 しかし、中国製造業の健全性を示す主要指標である輸出は9月、9.9%上昇。輸入も2.4%上昇した。これらの結果は、ダウ・ジョーンズ・ニューズワイヤーズ(Dow Jones Newswires)が調査したアナリストらが回答した輸出5.0%、輸入2.0%の成長という予想中央値を上回った。

 しかし景気全体に大幅な改善がみられなければ、高成長が繰り返される可能性は低く「世界の貿易活動が回復する様子が見られないので、中国の輸出増を支える要素もない」と北京の市場調査会社IHSグローバルインサイト(IHS Global Insight)の中国担当エコノミスト、アリスター・ソーントン(Alistair Thornton)氏は述べている。

 同データによると、中国の対日貿易は今年第3四半期までで1.8%下落し、2,480億ドルとなっている。ここ数か月の間に発生した尖閣諸島をめぐる中国と日本の対立は、中国で反日感情を巻き起こし、9月の日本製品の販売に影響を与えた。しかし中国税関総署はこの騒動と貿易を関連づけていない。(c)AFP/Boris Cambreleng