【10月13日 AFP】米財務省は12日、2012年会計年度(11年10月~12年9月)の財政赤字が約1兆1000億ドル(約86兆円)になったと発表した。赤字幅は前年度比16%減と大幅に縮小したものの、4年連続で1兆ドル超となった。

 2012年度の財政赤字は、9月に計上した約750億ドル(約5兆900億円)の黒字に支えられ、前年度比で約2070億ドル(約16兆円)縮小した。バラク・オバマ(Barack Obama)政権は赤字幅の縮小を、歳出削減と新規歳入増加に成功した結果だとしている。しかし赤字幅は依然として非常に大きく、来月の大統領選で政権奪回を目指す共和党陣営にとって格好の非難材料となった。

 歳入は前年度比6.4%増の約2兆4500億ドル(約192兆円)。法人税収入などが伸びた。

 歳出は同1.7%減の約3兆5400億ドル(約277兆円)。財務省は歳出減の要因として、米軍のイラク撤退とアフガニスタン駐留部隊の縮小に伴う支出削減と、景気刺激策関連支出の減少を挙げている。しかし防衛費削減分の大部分は、社会保障関連支出の増加により相殺された。
 
 2012年度の財政赤字は国内総生産(GDP)の7.0%に相当し、前年度の8.7%からは減少したものの、エコノミストらは長期的に持続不可能なまでに高いままであると指摘している。(c)AFP/Paul Handley