【10月11日 AFP】トヨタ自動車(Toyota Motor)は10日、パワーウインドースイッチの不具合で発火の恐れがあることから、人気車種のカムリ(Camry)やカローラ(Corolla)を含め、世界全体で743万台をリコールすると発表した。

 今回のリコール台数は、2011年度(11年4月~12年3月)の同社の世界販売台数を若干上回る規模だ。トヨタはこの不具合に関する報告を最初に受けたのは08年だが、現在に至るまで原因を突き止めることができていないと明かした。

 トヨタの広報担当者はAFPに「運転席ドアのパワーウインドーのスイッチに不具合がある。これによりスイッチの摩耗が通常よりも早くなり、スイッチが正常に動作しなくなる恐れがある」と説明した。さらに「スイッチの動きをスムーズにするために市販の潤滑剤を使用するとスイッチを腐食させる可能性もある」と加えた。

 同広報担当者によると、リコールの内訳は米国が約247万台、欧州と中国が合わせて280万台、残りは日本、カナダ、オーストラリア、中東諸国など。米国ではウインドーのスイッチから煙が発生した事例が少なくとも1件報告されているという。トヨタの米国版ウェブサイトには次のような警告が掲載されている。「ガタガタした動きをなくすため、スイッチに市販の潤滑剤を塗布すると、スイッチ部分が溶けたり、煙が出たりする可能性があります。また、特定の条件下においては火災が発生する恐れがあります」。

 トヨタは9日、中国と日本の領土問題の影響で同社の中国における9月の自動車販売台数が前年同月に比べほぼ半減したと発表しており、今回のリコールはトヨタにとって今週2度目の打撃になった。10日の同社株価は前日比1.9%安の2943円で引けた。(c)AFP