【10月9日 AFP】国際通貨基金(IMF)は9日発表した世界経済見通し(World Economic Outlook)で、2012年のアジア新興国の経済成長率予測を引き下げた。欧米の不況や、中国の景気刺激策の効果が出ていないことを理由に挙げている。

 アジア新興国の経済成長見通しは2012年は7月予測の7.1%から6.7%に、2013年は7.5%から7.2%に引き下げられた。

 IMFは主要先進国の経済成長の伸び悩みから外需が弱くなるとみられることや、中国とインドの経済成長見通しが引き下げられたことを反映したもので、アジア地域の短中期的な成長率は近年よりも伸び悩むとの見方を示した。ユーロ圏債務危機のいっそうの悪化や、米国の「財政の崖」回避の失敗も、アジア経済にさらなる問題をもたらす恐れがあるとIMFは警告している。

 また日本の経済成長率見通しは、東日本大震災の復興費用の影響を理由に、2012年は7月予測の2.4%から2.2%に、2013年は1.5%から1.2%に引き下げられた。

 IMF経済見通しの発表は、日本で今週開かれるIMFと世界銀行(World Bank)の年次総会に先立ち発表された。主要7か国(G7)財務相・中央銀行総裁会議も合わせて開催される。(c)AFP/Danny McCord