【9月29日 AFP】北朝鮮の平壌(Pyongyang)で25年にわたり建設が続く高層ホテル「柳京ホテル(Ryugyong Hotel)」が、今後3年以内に完工予定であることが分かった。ホテル内部に入ることを許された中国の旅行会社が28日、明らかにした。

 柳京ホテルは105階建てのピラミッド型ホテルで、昨年死去した金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記が1987年に建設を命じたとされている。

 しかし建設計画は幾度となく延長され、人々の目には国を苦しめ続ける経済問題の象徴としてそびえ立ってきた。北朝鮮のスターリン主義経済はほとんど機能しておらず、近年では飢饉(ききん)に苦しんでいる。

 今回、異例のホテル内部ツアーが許可されたのは、北京(Beijing)に本社を置く北朝鮮旅行専門の旅行会社「高麗ツアーズ(Koryo Tours)」。AFPは高麗ツアーズが撮影した写真を入手。広大な未完成のコンクリート建造物の内部が明らかになった。

「玄関ホールはガラス張りで、光であふれています」と高麗ツアーズのマネージャー、ハンナ・バラクラフ(Hannah Barraclough)氏は語った。ホテルを覆うガラス部分はほぼ完成しているという。

 95階にある展望台からは「平壌の素晴らしいパノラマの景色」が一望でき、オフィスや大宴会場などが入る予定だという。

 観光客へのホテル内部の公開は、内装工事が完了するまでないだろうとバラクラフ氏は話している。(c)AFP