【9月26日 AFP】スペインの首都マドリード(Madrid)で25日、市民ら数千人が政府の緊縮財政に抗議するデモを行った。デモ隊は機動隊と衝突し、60人以上が逮捕された。

 国会議事堂近くのネプトゥーノ広場(Plaza de Neptuno)には数千人が集まり、マリアノ・ラホイ(Mariano Rajoy)首相率いる現政権に対し「恥知らず!」「辞任しろ!」などと叫んだ。デモ隊の排除に動いた機動隊はゴム弾や警棒を使用し、非常事態当局によると警察官27人を含む60人以上が負傷した。警察は26人を逮捕したと発表した。

 デモを呼びかけたのは、財政危機のなかで今の政治体制は普通の人たちから発言権を奪っていると主張している、既存政治体制への抗議行動「Indignados(怒れる者たち)」。

「Indignados」は「15M(5月15日運動)」の名でも知られている。2011年のこの日に政府の財政危機対応に抗議するデモが起き、デモ参加者がマドリードのプエルタ・デル・ソル(Puerta del Sol)広場に数週間にわたって泊まり込んだ。

 不動産バブルの崩壊で不況に陥ったスペインでは失業率が25%近くに達し、多くの家庭が貧困に苦しんでいる。スペインではここ数か月、大規模な抗議行動の際に25日と同様の衝突が何度か起きていた。(c)AFP/Daniel Silva