【8月16日 AFP】パリス・ヒルトン(Paris Hilton)といえば米国のお騒がせセレブの名前だが、フランスにあるもう1つの「パリス・ヒルトン」が、もうすぐ姿を消すかもしれない。首都パリ(Paris)にある米ホテルグループ「ヒルトン(Hilton)」傘下ホテルの経営権訴訟で15日、ヒルトン側が敗訴したのだ。

 経営権争いの渦中にあったのはパリ中心部の四つ星ホテル「ヒルトン凱旋門パリ(Hilton Arc de Triomphe Paris)」。オーナーの不動産・ホテル運営会社SIHPMが、2003年に交わした契約に違反したとしてヒルトン側を訴えていた。

 SIHPM側は、本来ならば「ヒルトン凱旋門パリ」は五つ星の評価に値する潜在性を十分秘めていたにもかかわらず、ヒルトン側の怠慢で四つ星評価にとどまっていると主張。経営委任契約の取り消しと6000万ユーロ(約58億円)の損害賠償を求めていた。

 裁判所はヒルトン側の契約違反を認め、SIHPM側がホテル内のヒルトン商標を全て取り外す作業の権利行使期間を3か月と定めた。また、賠償額の見積もりに外部専門家を指名した。

 だが、ヒルトン側は控訴する方針だ。同グループはパリ郊外にも4つのホテルを経営するが、中心部では「ヒルトン凱旋門パリ」が唯一の傘下ホテルとなっている。(c)AFP