【8月12日 AFP】ドイツのニュース週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)電子版は10日、同国政府が公的債務の軽減に向けて寛大な市民から寄付金を募ってきたものの、必要な2兆ユーロ(約192兆円)にはまだまだ足りないと皮肉った。

 同国の公的債務は2兆1000億ユーロ(約201兆円)に膨らんでおり、60%は連邦政府、残りは地方政府が抱えている。財務省は2006年以来、債務軽減策としてドイツ国民に寄付を呼びかけてきたが、これまでの寄付総額は16万5489ユーロ(約1590万円)にとどまっている。

 同誌ウェブサイトによると、平均的な寄付額は5~20ユーロ(約480~1900円)。100ユーロ(約9600円)を上回ることはまれで、最低は象徴的金額である1セント(約0.96円)。

 世界金融危機の最中だった2008と09年、政府の寄付金口座への入金は1件もなかった。しかし景気回復に向かい始めた10年には、入金額が10万ユーロ(約960万円)を上回ったという。

 大勢のエコノミストや左派勢力の関係者はここ数か月、高所得層のドイツ人が納税額を増やすか、資産の一部を政府に融資し、債務軽減に協力するべきだと主張している。(c)AFP