【7月18日 AFP】100年前に沈没した英豪華客船タイタニック(Titanic)号を現代によみがえらせようとオーストラリアの資産家が造船計画中の「タイタニック2号(Titanic II)」の初期設計案が17日、公開された。オリジナルと同じ1等~3等船室9デッキに加え、新たに「安全デッキ」が設けられている。

 豪資産家のクライブ・パーマー(Clive Palmer)氏がAFPに宛てた声明によると、現代の客船の安全規定では救命ボートの投下位置を水面に可能な限り近い場所に設けるよう定められており、安全デッキの追加はこれに応じたもの。安全デッキには救命ボートや脱出用シュートのほか、新たな共有船室も備えられるという。

 他のデッキは基本的にオリジナルに準じた造りとなっているが、オリジナルにはなかった非常階段や業務用エレベーターが追加され、またデッキの1つは船員用船室、洗濯室、機関室へと作り変えられる。設計はフィンランドの船舶設計会社デルタマリン(Deltamarin)が行った。

 安定性強化のためオリジナルより船幅が1メートル広がったものの「1等~3等船室を備え、タイタニック号の神髄を受け継いでいる」とパーマー氏は胸を張る。「3等船室では浴室を他の客と共有し、夜には長いテーブルでアイリッシュ・シチューをほおばったりジグを踊ったり、といった体験ができる」(パーマー氏)

   「タイタニック2号」は中国の造船所で建造後、英国へ移送され、2016年中に北米へ向けて初航海に出る予定。パーマー氏によれば、既に多数の問い合わせがあるという。(c)AFP/Madeleine Coorey