【7月10日 AFP】国連食糧農業機関(Food and Agriculture OrganisationFAO)は9日、同機関が監視する水産資源のほぼ30%が乱獲されており、持続可能な水産資源に頼る世界の数千万人の生活を脅かしているとする報告書を発表した。

 FAOは、持続可能な漁業への支援と乱獲資源の回復に向けたあらゆる努力を行うよう、世界各国に呼びかけている。

 報告書によれば、乱獲は環境への悪影響をもたらすだけではなく、水産品の生産量を減少させるため、社会や経済にも悪影響を及ぼす。

 FAOのジョゼ・グラジアノ・ダシルバ(Jose Graziano da Silva)事務局長は、水産資源に間接的または直接的に生活を頼る人々は、世界人口の約12%に上ると述べている。

 報告書によれば、世界の水産業が抱える問題は、不十分な漁業管理体制、自然資源の利用権をめぐる対立、質の悪い漁業方法の継続など、数多く残されている。(c)AFP